こんにちは、元球児のMMです。
子供の頃から野球をやっていたので、野球を見ることもとても好きでした。
9歳から野球を始めたのでかれこれ20年以上野球を見ています。
日本にいた時は主に日本のプロ野球を、アメリカに来てからはメジャーリーグと日本の野球を見ています。
日本のプロ野球とアメリカのメジャーリーグでは違いが多くあるのですが、中でもFA権の行使については大きな違いの一つと言えそうです。
そしてこのFA権の行使は、両国の労働文化の違いに強く結びついていることを発見しました。
目次
FA(フリーエージェント)権とは
フリーエージェント(Free Agent)とは、所属チームとの契約を解消し、他チームと自由に契約を結ぶことができるスポーツ選手のことである。 FAと略す。 広義には自由契約選手を指すが、近年は狭義として特別な自由移籍の権利を持つ選手を指す言葉として使われる。
日本のプロ野球、アメリカのメジャーリーグ、ともにある一定期間一軍登録をされていると、フリーエージェント権という他球団へ行く権利を得ることが出来ます。
そこでは獲得したい球団は、どれだけその選手を評価しているかを年棒や契約年数で表し、何とか獲得しようとします。
他球団だけでなく、所属球団も残したいと思えば現状よりよい条件を提示し、引き留めようとします。
FAのしやすさ日米の違い
日本プロ野球と比べてアメリカメジャーリーグではフリーエージェント権の行使の数は段違いに多いです。
そして自分をより高く評価してくれるチームにどんどん移籍をします。
その背景としてFA権の取得のしやすさが挙げられます。
メジャーリーグにおけるFA権資格条件
メジャーリーグにおけるFA権資格条件は、6シーズンの出場選手登録となっています。
また契約が切れる年のワールドシリーズ終了後、5日以内に再契約がされない場合、全員がフリーエージェントとなります。
日本プロ野球におけるFA権資格条件
日本プロ野球におけるFA権資格条件は、8シーズンの出場選手登録となっています。(海外移籍をする場合は9シーズン)
もしくは契約が切れる年の日本シリーズ終了後、7営業日以内にFA宣言をした場合、フリーエージェントとなります。
アメリカはFAのしやすさもあり、自分を評価してくれる球団に移籍をするため、選手の移籍が活発です。
一方日本プロ野球はFAのしにくさ、FAをしても自球団に残ることもあり、移籍がそこまで活発ではありません。
雰囲気としても金で他球団に移るのは良くない、自球団に残ることが美徳、というものもあります。
僕はこのフリーエージェントを通して両国の労働文化の違いが見えると考えています。
転職社会と終身雇用社会
アメリカは転職社会であり、給料を上げたい場合はスキルを身につけて、それを評価し高い報酬を出してくれる会社にどんどん移っていきます。
実際にアメリカで働いていると、自分の周りもどんどん転職していきますし、転職して入ってくる人も多いです。
一方日本では基本的に終身雇用の考えがあるため、今以上の報酬を貰えるスキルがあったとしても組織に残り続けることが多いと思います。
そしてこれらの事象は野球界においても同様であると考えています。
メジャーリーグの選手はどんどん実績を残し、高く評価をしてくれるチームに移っていきます。
日本プロ野球の選手は、実力があってもチームに留まる傾向にあります。
これは文化の違いですので、どちらが良いとは言えませんが、実は日本プロ野球も最近は移籍の活性化というのを重要テーマに議論をしています。
そこでの話を見るとチームに留まるより、FA制度をどんどん利用して移籍を活性化したほうがプロ野球全体としてメリットがあると述べられています。
日本のビジネス界もFA行使による移籍(=転職)の活性化を
同様のことはビジネス界にも言えます。
近年日本がもっと転職しやすい社会になるようにとの動き、いわゆる労働市場の流動化が言われています。
プロ野球界同様、転職しやすくなることには多くのメリットがあります。
働き手としては、給料が上がる、やりたいことと業務のミスマッチを是正することが出来る、合わない職場を変えられる、など、終身雇用と比べて勤務先への依存度を減らすことができます。
嫌になったら皆が辞められるようになれば、職場環境を改善せざるを得ません。
職場環境が悪い会社には人が集まらず淘汰されてるようになります。
会社側としても人材の確保が楽になりますし、日本全体でもプラスになります。
ですのでビジネス界においても、どんどんFA出来ることが望ましいですね。
まとめ
アメリカで働いていると日本との働き方の違いを感じますが、普段生活しているだけでも両国の違いを感じます。
プロ野球におけるFA権の行使もその1つで、そのまま働き方の違いに結びついているのが面白いですね。
アメリカのやり方が全て正しいわけではないですし、日本には日本のやり方がありますが、労働市場の流動化に関しては、アメリカのあり方を真似したいところですね。
日本プロ野球界もFA制度の活性化を進めていますので、ビジネス界も転職がガンガン出来る様になって欲しいです。