こんにちは、兼業投資家のMMです。
近年、女性の社会進出が世界的に進んでいることから女性リーダーも多くなってきています。
アメリカビジネス界ではその流れは顕著で、企業内の女性管理職はもちろん、会社を引っ張る女性CEOの数も増えてきています。
と言ってもまだまだ男性CEOに比べると女性CEOの数は少ないのですが、それもあって女性CEOの企業業績は注目されやすくあります。
色々な記事で女性CEO企業のパフォーマンスの分析がされていますが、最近はどの記事も女性CEO企業のパフォーマンスは良いという論調で統一されている印象を受けます。
もし女性CEOの方がより利益を上げ、株主に還元しているのであれば、投資家としては注目に値しますね。
今回の記事では女性CEOに焦点を当ててみたいと思います。
女性CEO企業のパフォーマンス
米経済雑誌のフォーブスは年に1回、企業の総収入に基づきランキングを発表しています。
最も有名なのはフォーチュン500という総収入上位500社のランキングになりますが、上位1000社のフォーチュン1000の2015年版の内、女性CEOの企業の株式リターンは S&P500の 3倍に上ります。
また経済情報サイトQuartsによると、世界91カ国21,980の企業の分析結果から、CEOもしくは役員に女性を30%以上配置している企業は純利益率が6%高いというデータが出ています。
なぜ利益率が高い
これらはあくまでデータによる分析であり、なぜ女性CEOだと利益率が高いのかについては詳細な研究データはありません。
ですのでここからは個人的な予想を述べてみます。
以前テレビかどこかのサイトで見たのですが、元来ヒトは男女によって得意なこと、出来ることが違います。
石器時代まで遡ると男性は外に出て狩りをし食料を調達、女性は家を守り子供を育てる、というのが動物としての本能的な能力になります。
この能力を現代ビジネスに当てはめてみると、男性は起業や新たなビジネスを作り出すことが得意であり(≒外に出て狩りをする)、女性は既存の組織を守り発展させていくことが得意(≒家を守る)ということになります。
もしこの仮説が正しいとすると、一度軌道に乗った企業に関しては女性CEOの方が適しているということになります。
確固たる根拠がありませんが、こういうことを考えてみるのも面白いですね。
Fortune 500 における女性CEO企業
フォーチュン500の中には女性CEOの企業が現在25社あります。(2016年時点)
CEO | 企業名 | ランク | tckr |
---|---|---|---|
メアリー・バーラ | ゼネラルモーターズ | 6 | GM |
メグ・ホイットマン | ヒューレットパッカード | 19 | HPQ |
バージニア・ロメッティ | IBM | 24 | IBM |
インドラ・ヌーイ | ペプシコ | 44 | PEP |
マリリン・ヒューソン | ロッキードマーティン | 64 | LMT |
サフラ・キャッツ | オラクル | 81 | ORCL |
アイリーン・ローゼンフェルド | モンデリーズインターナショナル | 91 | MDLZ |
フィービー・ノヴァコヴィッチ | ゼネラルダイナミクス | 100 | GD |
キャロル・メイロウィッツ | TJX | 103 | TJX |
リン・グッド | デュークエナジー | 116 | DUK |
トリシア・グリフィス | プログレッシブ | 137 | PGR |
ウルスラ・バーンズ | ゼロックスコーポレーション | 143 | XRX |
ディアンナ・マリガン | ガーディアンインシュランスオブアメリカ | 254 | |
バーバラ・レントレー | ロスストアーズ | 269 | ROST |
デブラ・リード | センプラエナジー | 270 | SRE |
アンナ・マニング | リインシュランスグループオブアメリカ | 271 | RGA |
キンバリー・ルーベル | CSTブランド | 277 | CST |
シェリ・マッコイ | エイボンプロダクツ | 322 | AVP |
メアリー・ラシンガー | ベリティブコーポレーション | 323 | VRTV |
スーザン・キャメロン | レイノルズアメリカ | 337 | RAI |
デニーズ・モリソン | キャンベルスープ | 342 | CPB |
キャサリン・マッツァレッラ | グレイバーエレクトロニック | 445 | |
アイリーン・ゴードン | イングレディオン | 462 | INGR |
リサ・スー | アドバンスドマイクロデバイセズ | 473 | AMD |
ジャックリーン・ヒンマン | CH2M ヒル | 480 |
この中にはいくつか日本でも有名な企業がありますね。
ゼネラルモーターズのメアリー・バーラは重厚長大の保守的な自動車業界初の女性CEOとして大きく注目されました。
ヒューレットパッカードやIBM、ペプシコといった日本でも有名な企業も現在女性CEOが指揮を取っています。
500社中25社ということで比率にするとわずか5%ですが、株価や利益の上昇が明らかになると株主たちも女性CEOをもっと望むようになりそうですね。
マイポートフォリオ
実はマイポートフォリオにも女性CEO企業があります。
ゼネラルモーターズとヒューレットパッカードです。
これらの企業はあくまでバリュー株として購入したのですが、ゼネラルモーターズのトータルリターンは現在+23%、ヒューレットパッカードのトータルリターンは+82%と市場平均を大きく上回っています。(参照 アメリカ株運用状況 2017年3月)
自分の資産も女性CEOの恩恵を受けていました。
まとめ
あくまで基準の一つですが、CEOが女性の企業を株式選定の時に気にしてみるのも良いと思います。
理由は明確にはなっていませんが、データとしては良いパフォーマンスを上げているのは事実です。
今後はどんどん多様性が求められていますので、その多様性を身につけているCEOの企業が株主に利益を与えてくれるかもしれません。
株で富を築くバフェットの法則[最新版]—不透明なマーケットで40年以上勝ち続ける投資法