こんにちは、兼業投資家のMMです。
米国を代表する株式指標と言えばS&P500で、米国の投資サイトやブログでもS&P500連動の投資信託やETFに長期投資をすることが薦められています。
個人的にもS&P500という代表的な株式指数に投資するのは分かりやすいですし、米国経済ともほぼ連動しているのでおすすめできます。
ですが、S&P500というのはあくまで米国における大企業を対象とした株式指数で、中小企業は入っていません。
中小型株は大型株に比べて値動きが大きいですが、急成長を遂げる企業もあることからリターンが期待出来ますし、投資先に入れることでより分散効果をもたらします。
個人的に米国へのインデックス投資であればS&P500よりも米国市場全体の方が良いと考えています。
今回は米国市場全体を対象したバンガード・トータル・ストックマーケットETF(VTI)のチャールズシュワブ版、シュワブ・US・ブロードマーケットETF(SCHB) を紹介します。
目次
VTIとは
バンガード・トータル・ストックマーケットETF(VTI)とは、米国株式市場の99.5%をカバーしているETFになります。
S&P500連動ETFは基本的には大型株を対象としているのに対し、中型・小型・超小型を含んでいるのが特徴です。
まずは米国市場全体ETFとS&P500連動ETFの違いをバンガードのVTIとVOOで見てみます。
時価総額別投資割合(VTI vs VOO)
時価総額別 | VTI | VOO |
---|---|---|
超大型株(3,000億ドル以上) | 41.64% | 50.52% |
大型株(100億ドル以上) | 29.84% | 35.79% |
中型株(20億ドル~100億ドル) | 19.32% | 13.59% |
小型株(300万ドル~20億ドル) | 6.62% | 0.10% |
超小型株(50万ドル~300万ドル) | 2.58% | 0.00% |
(参照 ETF DB.com)
上記は米国市場全体のVTIとS&P500連動のVOOの時価総額別投資割合になりますが、VTIの方が中型・小型・超小型が多いことが分かります。
中型・小型・超小型は大型とは違った動きをしますので、分散の意味でもリスクを軽減できますし、大型株にはあまり無い急成長によるリターンを享受できる可能性もあります。
チャート比較(米国市場全体 vs S&P500)
* ダブルクリックで拡大します。参照 Yahoo Finance
上記の青線がS&P500(SPY)、赤線が米国市場全体(VTI)となりますが、全ての期間で米国市場全体(VTI)のリターンが良くなっています。
中・小・超小型が入ることでリターンに差が出て来ていると言えます。
分かりやすさを重視するのであれば S&P500連動、少しでも多いリターンを重視するのであれば米国市場全体と考えています。
VTIについては「たぱぞうの米国投資」を運営されているたぱぞうさんが「VTIはほとんど米国全体への投資!米国ETF最強の一手!」で、「和波の投資生活ブログ」を運営されている和波さんが「【VTI】バンガード・トータル・ストック・マーケットETFは超おすすめの米国ETF!」で詳細を解説されていますので参照してみて下さい。
VTIとSCHBの比較
米国市場全体に投資するETFの中で低コストで最も人気があるのがバンガードのVTIですが、チャールズシュワブのシュワブ・US・ブロードマーケットETF(SCHB)は最低コストとなっています。
下記でリターン、ファンド概要、構成銘柄の比較をしてみます。
チャート(VTI vs SCHB)
* ダブルクリックで拡大します。Yahoo Finance 参照
青い線がバンガードのVTI、赤い線がチャールズシュワブのSCHBとなりますが、リターンは微かにSCHBが勝っていますが、全く同じと言って問題ありません。
チャールズシュワブのSCHBでバンガードのVTIと同等のリターンを得ることが出来ます。
ファンド概要
VTI | SCHB | |
---|---|---|
ベンチマーク | CRSP USトータルマーケット |
ダウ USブロードストックマーケット
|
経費率(信託報酬) | 0.04% | 0.03% |
設定日 | 2001/5/31 | 2009/11/3 |
純資産総額 | 6,570億ドル | 112億ドル |
平均日別出来高 | 1.9億ドル | 0.6億ドル |
配当利回り | 1.76% | 1.73% |
配当頻度 | 年4回 | 年4回 |
銘柄数 | 3,602 | 1963 |
SCHBの経費率は0.03%と米国株式市場全体を対象とするETFの中では最も低いコストになっています。
*S&Pトータルマーケットインデックス連動のiシェアーズのITOTも0.03%ですが、リターンが上記2ETFより低くなっていますので除外します。2015年まではS&P1500をインデックスとしていましたが、現在はS&P Total Market Indexに変更していますので、VTIともほぼ同じリターンになります。
また運用会社がチャールズシュワブということで、SCHBをチャールズシュワブ証券の口座から購入する場合は手数料無料というメリットもあります。
米国のサイトでも VTIとSCHBのどちらが良いか、という議論がされていますが、個人的には購入手数料が掛からない+低コストのSCHBが良いと判断しています。
構成銘柄
VTI、SCHBの構成銘柄は下記の通りになっています。(参照 ETF DB.com)
リターンが同等だけあって、ほぼ同じ内容になっています。
企業別
VTI | SCHB | ||
---|---|---|---|
アップル | 2.94% | アップル | 3.21% |
マイクロソフト | 2.40% | マイクロソフト | 2.38% |
アマゾン | 1.69% | アマゾン | 1.66% |
フェイスブック | 1.60% | フェイスブック | 1.53% |
ジョンソンエンドジョンソン | 1.40% | ジョンソンエンドジョンソン | 1.38% |
JPモルガン | 1.32% | バークシャーハサウェイB | 1.37% |
エクソンモービル | 1.32% | JPモルガン | 1.34% |
バークシャーハサウェイB | 1.32% | エクソンモービル | 1.27% |
アルファベットA | 1.14% | アルファベットC | 1.13% |
アルファベットC | 1.13% | アルファベットA | 1.13% |
企業別上位10社はほぼ同じで、時価総額が大きい超大型株で占められていますね。
業種別
VTI | SCHB | ||
---|---|---|---|
IT | 23.30% | IT | 23.07% |
金融 | 15.12% | 金融 | 15.10% |
ヘルスケア | 13.63% | ヘルスケア | 13.45% |
一般消費財・サービス | 11.97% | 一般消費財・サービス | 12.48% |
産業用機器 | 10.82% | 産業用機器 | 10.79% |
生活必需品 | 7.11% | 生活必需品 | 7.29% |
エネルギー | 5.60% | エネルギー | 5.54% |
不動産 | 3.95% | 不動産 | 3.92% |
素材 | 3.47% | 素材 | 3.41% |
電力・ガス | 3,22% | 電力・ガス | 3.19% |
業種別もほぼ同じです。
時価総額
VTI | SCHB | |
---|---|---|
超大型株(3,000億ドル以上) | 41.64% | 41.50% |
大型株(100億ドル以上) | 29.84% | 30.52% |
中型株(20億ドル~100億ドル) | 19.32% | 19.21% |
小型株(300万ドル~20億ドル) | 6.62% | 6.97% |
超小型株(50万ドル~300万ドル) | 2.58% | 1.80% |
時価総額別もほぼ同じで、どちらも中型、小型、超小型株が同じくらいの比率になります。
SCHBは我が家のメイン投資先の一つに
投資を始めて以来インデックス投資をコア戦略とし、米国赴任以降もS&P500インデックスファンドをメインとしていましたが、今後は米国市場全体を対象とするシュワブ・US・ブロードマーケットETF(SCHB)をメインの一つとしていきます。
S&P500の方がニュースでいつもやっていますし、分かりやすさはあるのですが、リターンと分散の観点からは米国市場全体への投資の方が良いと考えます。
これか中型以下の株式の動きも時々チェックしようと思いますが、今までとは違ったニュースも追うので少し知識も増えるかもしれません。
S&P500の平均リターンは7%とも8%とも言われますが、これらのリターンを少しでも超えてくれると良いなと思います。
やることは今までと変わらずコツコツ積み立てていくだけなので、どっしりと腰を据えて取り組んで行きたいですね。
投資信託からETFへ移行する理由は下記になります。