VT(バンガード・トータル・ワールド・ストックETF)はなぜ米国では人気が無い?

こんにちは、MMです。

株式投資で利益を上げる可能性を高める方法は、(地域の)分散投資かつ長期投資となります。

1カ国ではなく世界全体の株価を平均すると確実に右肩上がりになってきた経緯がありますし、市場が暴落しても10年15年という期間で見れば市場の株価指数は戻ってきた歴史があります。

※世界全体を平均すると低成長国も入るため、リターンを下げてしまうことも事実です。

このような分散投資かつ長期投資をETF一銘柄でできるのが、VT(バンガード・トータル・ワールド・ストックETF)になります。

日本の証券会社のETF人気ランキングや投資情報サイトにおすすめとして必ず出てくるVTですが、米国駐在時に投資情報を調べていた時には一度も目にすることはありませんでした。

最近では楽天証券がVTを買い付ける投資信託「楽天・全世界株式インデックスファンド」を発売し、日本でも更にVTへの人気が高まっています。

個人的にも非課税口座であるNISAでの投資候補としていますが、唯一引っ掛かっているのが、米国でのVTの人気があまり無いことです。

そこまで優れたETFであれば人気が出るはず。

ですのでなぜVTが米国では人気が無いのかを考察してみました。

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VT(バンガード・トータル・ワールドストックETF)とは

VTとは2018年5月時点で世界47カ国、8099銘柄に投資をし、全世界の株式の98%をカバーするETFになります。

信託報酬は0.10%と全ETFの中でもトップクラスの低さを誇り、かつVT一本で全世界の株式市場を網羅することができます。

低成長国も含まれることから全体の成長が鈍化するという懸念がありつつも、この先何が起こるか分からない株式市場の前提からすると、十分リスク分散ができる優れた投資先と言えます。

和波の投資生活ブログさんの「【VT】【VEU】全世界に投資するETFまとめ(構成銘柄解説つき)」にも詳細な分析がありますので参考にしてみて下さい。

SBI証券/楽天証券で人気1位

日本の証券会社でも海外ETFであるVTを買い付けることができますが、オンライン証券大手のSBI証券、楽天証券で共に保有残高ランキングが1位となっています。

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参照 楽天証券

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参照 SBI証券

投資アドバイザーや投資情報サイトでも優れたETFとして紹介されていることもあり、名実共に日本で最も人気のある海外ETFと言えます。

VT vs SPY トータルリターン比較

全世界に投資するVTと米国の主要株価指数であるS&P500に連動するSPYとのトータルリターン(キャピタルゲイン+インカム)の比較をしてみます。

VTは2008年6月に設定されていますので、2008年6月〜2018年6月の10年間の比較としています。

Screenshot_20180604-200806

参照 ETFReplay.com

過去10年間ではVTのリターンが91%であるのに対し、SPYは161%とSPYが約1.8倍のリターンを生み出しています。

リーマンショック以降米国市場は右肩上がりに回復・成長しましたが、欧州市場、新興国市場は回復に時間が掛かっていることが両者のリターンの差になっています。

もちろん今後10年、20年で同じようになるとは限りませんし、VTは世界への分散投資ができていますので、過去10年の結果だけで判断するのは注意が必要ですね。

(といっても米国市場が他国より強いままである可能性は高いと考えています。)

米国ETFトップ30

分散投資ができ長期投資向けであるVTは、投資の本場である米国でも受け入れられていそうですが、実態としては人気はそこまでありません。

2018年5月時点では総資産高、平均売買高共にトップ30には入っていません。

米国ETF総資産高トップ30

ETF DB.comよりデータを参照します。

RANK Symbol Name AUM($K)
1 SPY SPDR S&P 500 ETF $264,703,556.27
2 IVV iShares Core S&P 500 ETF $152,544,593.59
3 VTI Vanguard Total Stock Market ETF $97,835,881.61
4 VOO Vanguard S&P 500 ETF $91,364,986.41
5 EFA iShares MSCI EAFE ETF $76,912,304.25
6 VEA Vanguard FTSE Developed Markets ETF $72,280,523.80
7 QQQ PowerShares QQQ $67,461,970.68
8 VWO Vanguard FTSE Emerging Markets ETF $65,658,836.96
9 IEFA iShares Core MSCI EAFE ETF $58,549,116.39
10 AGG iShares Core U.S. Aggregate Bond ETF $55,184,966.73
11 IEMG iShares Core MSCI Emerging Markets ETF $49,625,245.15
12 IWM iShares Russell 2000 ETF $47,646,602.47
13 IJH iShares Core S&P Mid-Cap ETF $47,248,924.45
14 IWF iShares Russell 1000 Growth ETF $42,501,501.03
15 IJR iShares Core S&P Small-Cap ETF $41,763,613.04
16 EEM iShares MSCI Emerging Markets ETF $38,293,037.28
17 VTV Vanguard Value ETF $37,393,681.20
18 BND Vanguard Total Bond Market ETF $36,564,372.88
19 IWD iShares Russell 1000 Value ETF $36,276,942.78
20 GLD SPDR Gold Trust $35,536,215.81
21 VUG Vanguard Growth ETF $35,124,564.16
22 LQD iShares iBoxx $ Investment Grade Corporate Bond ETF $32,494,265.25
23 XLF Financial Select Sector SPDR Fund $32,080,409.48
24 VNQ Vanguard Real Estate Index Fund $30,366,377.77
25 VIG Vanguard Dividend Appreciation ETF $27,891,825.52
26 BSV Vanguard Short-Term Bond ETF $24,255,733.33
27 TIP iShares TIPS Bond ETF $24,219,759.44
28 VEU Vanguard FTSE All-World ex-US ETF $23,617,482.75
29 VB Vanguard Small Cap ETF $23,411,197.94
30 VO Vanguard Mid-Cap Index ETF $22,916,229.47
63 VT Vanguard Total World Stock ETF $12,111,441.79

上位にはS&P500、米国市場全体、先進国、新興国、米国債券が並びますが、VTは63位と日本とは状況が大きく異なります。

米国ETF平均売買高トップ30

こちらもETF DB.comよりデータを参照します。

RANK Symbol Name Avg Volume
1 SPY SPDR S&P 500 ETF 92,528,758
2 EEM iShares MSCI Emerging Markets ETF 66,227,367
3 XLF Financial Select Sector SPDR Fund 56,482,672
4 TVIX VelocityShares Daily 2x VIX Short Term ETN 47,292,324
5 QQQ PowerShares QQQ 43,177,215
6 GDX VanEck Vectors Gold Miners ETF 35,872,758
7 VXX iPath S&P 500 VIX Short-Term Futures ETN 34,580,984
8 UVXY ProShares Ultra VIX Short-Term Futures 31,611,049
9 FXI iShares China Large-Cap ETF 23,386,414
10 EFA iShares MSCI EAFE ETF 23,115,447
11 UWTI VelocityShares 3x Long Crude ETN 22,097,039
12 IWM iShares Russell 2000 ETF 20,932,736
13 USO United States Oil Fund 19,593,352
14 EWZ iShares MSCI Brazil ETF 18,687,977
15 TQQQ ProShares UltraPro QQQ 18,601,381
16 XOP SPDR S&P Oil & Gas Exploration & Production ETF 18,462,697
17 SQQQ ProShares UltraPro Short QQQ 18,086,844
18 AMLP Alerian MLP ETF 17,674,066
19 XLE Energy Select Sector SPDR Fund 15,493,029
20 XLU Utilities Select Sector SPDR Fund 15,095,780
21 XLP Consumer Staples Select Sector SPDR Fund 14,775,775
22 XLK Technology Select Sector SPDR Fund 14,359,831
23 XLI Industrial Select Sector SPDR Fund 13,913,096
24 HYG iShares iBoxx $ High Yield Corporate Bond ETF 13,799,604
25 IAU iShares Gold Trust 13,325,714
26 SVXY ProShares Short VIX Short-Term Futures 12,821,898
27 JNK SPDR Barclays High Yield Bond ETF 12,043,303
28 VWO Vanguard FTSE Emerging Markets ETF 11,799,834
29 IEMG iShares Core MSCI Emerging Markets ETF 10,891,759
30 GDXJ VanEck Vectors Junior Gold Miners ETF 10,788,299

平均売買高ではVTはトップ30はおろか、トップ100にも入っていません。

こちらもまた日本との温度差を感じます。

米国でVTの人気が低い理由

米国の投資ブログや投資情報サイトではVTの人気がない理由について述べられてはいませんので、様々な情報ソースから個人的な見解を述べてみます。

米国でVTの人気がない理由としては3つ、V米国の割合が高過ぎることコストが高いことアセットアロケーションは自分で決める意識があること、だと考えています。

米国の割合が高過ぎること

ETF db.comによるとVTに占める米国の割合は52%と最大になっており、つまりVTに投資することは半分米国に投資することになります。

一方上記のETFランキングの通り、米国に投資できるETFは、S&P500、米国市場全体、NASDAQ(新興企業)、小型株、医療等のセクター別と、多くの選択肢があります。

米国に住んでいると他国より米国の方が詳しくなりますし、米国内でもリスクリターン、総資産高や取引高を考慮すると個々人の状況に合った投資先を選べます。

実際に米国内の人気ETFを見てもその多くが米国内のETFとなっていますね。

米国内の投資については裁量権を持って自分で選びたい、という心理はホームバイアスではありませんが多くの人が持ち合わせているものですので、米国株比率が高すぎるVTは多くの人の考えから外れるのかもしれません。

このことはTwitterでフォローさせて頂いているあさかぜさんよりヒントを貰いました。

https://twitter.com/asakaze2425/status/995799232668778496?s=19

コストが高い

和波さんの記事で参照されていましたが、VTは他のETFを組み合わせることで同リターンで経費を下げることが出来ます。

VTは地域別では、米国(52%)、米国除く先進国(36%)、新興国(11%)の3つに分けられますが、バンガードのETFではそれぞれVTI(米国市場全体)、VEA(米国除く先進国)、VWO(新興国)で組み合わせて代替が出来ます。

また経費率はVTIが0.04%、VEAが0.07%、VWOが0.14%となっており、これに地域別比率を基に全体の経費率を出すと、0.077% となりVTの経費率0.10%より0.023%コストが下がります。

0.023%の差は、100万円投資していれば年間230円の差、1,000万円投資していれば年間、2,300円の差になります。

この差を大きいというかは微妙な所ですが、長期投資でかつ運用金額が大きくなるとチリツモで掛かってきますね。

実際に自分で組み合わせることでコストを下げられますし、ETF人気上位にはこれらのETFは全て入っていますので、自分で世界分散投資ETFを行っているケースも多いと考えています。

アセットアロケーションを自分で決める文化

これは実際にアメリカに住んでいて感じたことですが、アメリカでは誰かに頼るのではなく自分で責任を負う文化が強いです。

会社で働いていてもキャリアは会社が道を用意してくれるものではなく、自ら切り拓く必要があるため、転職でステップアップをします。

また災害時でも誰かが助けてくれるのではなく、自分の身は自分で守るため、台風や大雪で会社が休みにならなくても自分の判断で休んだり、災害時などでも自ら行動を起こします。(混乱も起きるのでデメリットもあります)

投資に関してもVT一本に頼るよりも、自分で組み合わせた納得のポートフォリオを組む傾向があるのかもしれません。

日本ではVTは最適な投資先の一つ

色々見てきましたが、米国では人気が今一のVTですが日本では最適な投資先の一つと言えます。

米国で人気がない理由の一番は米国(自国)の割合が高すぎることだと思いますので、日本の比率がそこまで高くないVTは逆に日本株以外にまとめて投資するのに適していると感じます。

ただそこまで差がないとはいえ、ETFを組み合わせることでVTよりも低コストを実現できますので、あまり手間に感じなければそちらを採用するのも良いですね。

長期投資ではコストの差がそのままリターンの差になります。

実際に我が家の米国証券口座の戦略はVTをバンガードより更にコストの安いチャールズ・シュワブで再現する戦略を取っています。

NISA口座に関しても基本的には基本方針はVTで、ETFを使える口座ではETFの組み合わせで低コストを実現していきたいと思います。

下記は我が家で採用しているチャールズシュワブのETFの記事です。

こんにちは、兼業投資家のMMです。 米国を代表する株式指標と言えばS&P500で、米国の投資サイトやブ...
こんにちは、兼業投資家のMMです。 米国赴任を機にアメリカの証券会社のチャールズシュワブで口座を開設、資産運用...
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