こんにちは、米国赴任中のMMです。
支出管理で最も効果があるのは毎月決まった金額を払っている「固定費」の削減ですが、外国に住んでいると日本語の情報の少なさからか中々実行することが出来ません。
固定費の一つであるスマホ代(通信費)は格安SIMもあるため、削減できる固定費の一つですが、どこの企業(MVNO)を使えば良いのか、現行キャリアからの移行はどうすれば良いのかを英語で調べ、実行するのはとても疲れます。
ですが、MVNOへの移行で我が家のスマホ通信費は2台で月$67(7,400円)から$32(3,500円)へ$35(3,900円)の節約、年間$420(4.6万円)の節約に繋がっています。
実際自分で行ってみましたが、これらが日本語であれば良いなと思ったので、自分の経験を元に記事にしてみようと思います。
米国4大キャリアとMVNO一覧
AT&T、Verizon(ベライゾン)、Sprint(スプリント)、T-Mobile(Tモバイル)が米国4大キャリアになります。
スマホ/格安SIM情報サイトである Whistle Out によると米国内には27のMVNOがありますが、それぞれ4大キャリアの回線を使用しています。
MVNOは4大キャリアの通信インフラを使用することで安いサービス価格が提供できるようになっています。
下記に米国のMVNOと使用回線をまとめました。(参照 Whistle Out)
MVNO | 使用回線 | |||
---|---|---|---|---|
AT&T | Verizon | Sprint | T-Mobile | |
Boost Mobile | ○ | |||
Consumer Cellular | ○ | ○ | ||
CREDO Mobile | ○ | |||
Cricket | ○ | |||
FreedomPop | ○ | ○ | ||
GreatCall | ○ | |||
H2O Wireless | ○ | |||
MetroPCS | ○ | |||
Mint SIM | ○ | |||
Net10 | ○ | ○ | ○ | ○ |
Page Plus | ○ | |||
Pix Wireless | ○ | ○ | ||
Project Fi | ○ | ○ | ||
Red Pocket | ○ | ○ | ○ | ○ |
Republic Wireless | ○ | |||
ROK Mobile | ○ | ○ | ||
Simple Mobile | ○ | |||
Straight Talk | ○ | ○ | ○ | ○ |
Tello | ○ | |||
TextNow | ○ | |||
TPO | ○ | ○ | ||
Ting | ○ | ○ | ||
TracFone | ○ | ○ | ○ | ○ |
Twigby | ○ | ○ | ||
Ultra Mobile | ○ | |||
US Mobile | ○ | |||
Virgin Mobile | ○ |
4大キャリアの電波状況としては、Verizon > AT&T > Sprint > T-Mobile といわれていますが、米国中部~東部に掛けてはその差はほとんど無し、西部では若干差が出てきます。
西部でもいわゆる都市部ではどのキャリアも問題なく使えますが、一応念のため確認しておくのが良いと思います。
各社のHPへのリンクです → Verizon / AT&T / Sprint / T-Mobile
米国内ではMVNOで問題無い
MVNO(格安SIM)の最大メリットとしては月額の安さで、4大キャリアが月平均約 $60 (6,600円) に対して、その半額以下であることがほとんどです。
一方デメリットとしては通信状態の品質(電波が途切れないか、高速通信が出来るか)ですが、個人的には日常生活を送る上では殆ど問題ありません。
なぜなら米国には無料WiFiが多く、通常のデータ通信を行わなくてもまかなえてしまうからです。
家の中のWiFi + 以下の3つの無料 WiFiで日常生活では十分になります。
インターネットプロバイダ提供の無料WiFi
家にインターネット回線を引いている場合はプロバイダと契約していると思いますが、それぞれのプロバイダは契約者に対して無料WiFi(ホットスポット)のサービスを提供しています。
それぞれのプロバイダの無料WiFi提供地域のページに関しては、下記にリンクを貼ってみましたが、下記以外のプロバイダも「プロバイダ名+ Wifi hotspot map」で検索が出来ます。
プロバイダ |
---|
AT&T |
Verizon |
T-Mobile |
Time Warner |
Xfinity |
Frontier |
Cox |
Optimum |
一度設定(ID+パスワード入力)を行えば、あとは無料WiFiスポットに居る間は自動的に接続がされます。
店舗提供の無料WiFi
アメリカ国内でチェーン展開している店舗には大抵無料WiFiがあります。
スターバックス、ダンキンドーナツ、マクドナルド、ターゲット、ウォルマート、ホールフーズ、等。
更に各地の空港でも WiFiが完備されていますので、これらの場所でもWiFiが利用できます。
勤務先の無料WiFi
これは働いている人だけになりますが、アメリカの職場の殆どでは無料WiFiがあります。
サラリーマンの場合一週間の多くを会社で過ごすことになりますが、勤務中は会社のWiFiに繋いでいますので、データ通信はほぼ不要になります。
おススメは「TPO」
数ある米国MVNOの中でのおすすめは、我が家でも使用している「The People’s Operator (TPO Mobile)」です。
TPOモバイルは2012年にイギリス・ロンドンで創業、米国内では Sprint と T-Mobile の回線を使用してサービスを提供、格安SIM情報サイトである Whistle Outからは価格面で9/10、範囲&速度面では94/100と高い評価を受けています。
我が家がTPOに決めた3つの理由とデメリットを下記に示します。
毎月の使用料が最安値
MVNOにする目的は固定費の削減ですが、Whistle Outの価格比較で一番安かったのが TPO モバイルでした。
MVNOの料金は基本的にデータ使用量と比例しますが、上記で挙げた通り無料WiFi環境が整っている米国ではデータ通信量は少なくて良いと判断しました。
我が家のプランは↓になります。
プラン名 | 月額 | データ | 通話 | テキスト | |
---|---|---|---|---|---|
夫(自分) | Gentle Plan | $10 | 250MB | 500 | 500 |
妻 | Kind Plan | $16 | 500MB | 1000 | 無制限 |
*月額は毎月自動支払い(クレジットカード)にしているため各$5ずつ安くなっています。
夫である自分は一番安いプランにして月$10(+消費税)で、月のデータ250MBを超えることはありません。
出張時等に無料WiFi環境が無い場合は、プランを途中で変えたりデータ量を増やすことも可能ですが、今までしないで大丈夫でした。
妻の方は夫プランより一つ上にしていますが、自分より外に出る機会が多くデータが必要になると思ってこのプランにしていますが、特に問題ないようですので今後プラン変更をするかもしれません。
我が家のスマホ代は消費税込みで2台で $32(3,500円) に抑えることが出来ています。
機種の持込が可能
米国のMVNOの中には決められた機種しか使えない所もあります。
以前使用していたのは Virgin Mobile(ヴァージンモバイル)という、Sprintの子会社のMVNOでしたが、ここでは Virgin Mobileが販売している機種のみ使用可能でした。(ちなみに月額は 1台$33でした)
日本帰国後もスマホを使いたかったので、SIMカードを挿す機種持込可のMVNOが良いと考えていましたが、TPOモバイルはその条件をクリアしていました。
*スマホの規格には GSM と CDMAの2種類がありますが、日本でも使える国際規格はGSMの本体となり、それぞれで使用するSIMカードが変わります。
支払い金額の10%を寄付に充てられる
TPOモバイルは創業まもないスタートアップ企業ですが、「倫理的集団」になることを掲げています。
その行動の表れとして、契約者は毎月の支払い額の10%を慈善団体に寄付する選択をすることが出来ます。(契約者の支払い額は変わらず、10%分を寄付に回せます)
これは面白い試みだなと思い、我が家は2人とも寄付を選択しています。もちろん選択しないことも可能です。
夫である自分は奨学金団体である 「SCHOLARSHIP AMERICA INC」 に、妻は乳がんの支援団体である「NATIONAL BREAST CANCER FOUNDATION INC」に寄付をしています。
自ら寄付を行うのはハードルが高いですが、自分の支払い金額の一部を寄付に回すのであればすぐに出来るので良い制度だなと思います。
唯一のデメリットは「チャットサポート」が無いこと
英語が母語で無い人に取って「チャットサポート」はとてもありがたいものですが、TPOモバイルにはチャットサポートが無く、電話での問い合わせもしくはメールになります。
そこまで問い合わせることもないですし、実際問い合わせたことも今の所ありませんが、何かあった時チャット機能が無いのは少し不安ですね。
アメリカのほとんどのサイトではチャットサポートがあるので、ここだけが唯一の不満です。
TPOモバイルの申し込み方法
自分で申し込んだ時に情報が全て英語で苦労をしたので、やったこと(SIMの申し込み / アクティベート方法)を日本語でも残しておこうと思います。
こちらから申し込んで頂けると $10 がフリーチャージされます。
SIMカードの申し込み
こちらのリンクから下記の画面に飛びますので、赤枠の「ORDER SIM」を選択します。
次に「Get GSM SIM」と「Buy CDMA SIM」の2つの選択肢が出てきますが、持っているスマホの規格が GSMかCDMAかで変わりますので、確認をしてみましょう。
日本で使用できる規格はGSMになります。
GSMかCDMAを選んだら 「ORDER SIM NOW」をクリックします。
あとは名前や住所などの必要情報を記入すれば数日後にSIMカードが届きます。
SIMカードのアクティベーション
下記の赤枠の「ACTIVATE」をクリックし、GSMかCDMAを選択します。
届いたSIMカードにあるID番号を「ICCID」に入力、スマホのMEID番号もしくはESN番号を「Phone Identifier」に入力すればアクティベート完了です。
現行の電話番号を変えずにMVNOに移行する方法
新規に申し込む場合、現在使っている電話番号から変更になっても問題が無い場合は上記で問題ありません。
だた自分もそうでしたが、電話番号が変わると色んな人への連絡をしなければならないため、極力変えたくありませんでした。
現行の電話番号を維持したままキャリアを移行するには、①PACコードと呼ばれる番号を現行キャリアに問い合わせ、②新キャリアでSIMカードをアクティベートした後、③新キャリアにPACコードを連絡します。
自分の場合は Virgin Mobile から TPOモバイルで上記のやり方でしたが、他のキャリアでも同様です。
これらは電話で直接問い合わせなければいけないのが少し大変ですが、相手のオペレーターも慣れていますので、こちらも流れを覚えておけば問題ありません。
参考までにTPOモバイルのHPに載っている移行方法はこちらになります。
ちょっとの行動で毎月の生活費を減らすことが出来ますので、ぜひ取り組みたいですね!