こんにちは、兼業投資家のMMです。
世界から優秀な人材が集まってくること、日本語の何倍もの話者を持つ英語を使っていることから、アメリカには日本には無い考えや言語化されている概念があります。
アメリカに住んでいると日常生活でも、「こんな考えがあるのか」「こういうやり方があるのか」という気づきがあって面白いです。
そのような気づきの中で僕が最も好きなアメリカ文化がメトリクスです。
そしてこのメトリクスは株式投資においてもアメリカらしさを出しています。
目次
メトリクスとは
メトリクス(metrics)とは測定とか基準という意味を持つ英単語ですが、
「様々な活動を定量化し,データ管理に使えるようにした指標のこと」
も指します。
簡単に言うと、行動を全て数値化して、誰が見てもその実力、能力がわかるようにすることです。
アメリカに来ると体感しますが、あらゆる場面でこのメトリクスの考えがあります。
株価指標におけるメトリクス
株式投資において財務分析をする人であれば購入前に株価指標をチェックすると思います。
株価収益率 (PER) や 株価純資産倍率(PBR)、株主資本利益率 (ROE)といった株価指標はまさにメトリクスそのもので、企業活動をデータ化し実力を判断できるようにしています。
日本でもこの考えは導入されて一般化していますが、実はアメリカの株価指標をいうのは日本の何倍もあります。
例として Googleを傘下に持ち世界2位の時価総額を持つ アルファベット社を、日本のヤフーファイナンスとアメリカの Yahoo Finance で見比べてみます。
ヤフーファイナンス(日本)で見たアルファベット
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株価指標はヤフーファイナンスの詳細情報に記載がありますが、全部で8個の項目があります。
Yahoo Finance(米国)で見たアルファベット
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数え切れ切れない程の指標が出てきます。
両者ともヤフーファイナンスの個別株ページで株価指標が載っているページを表しています。
ちょっと極端な例で、アメリカの投資家も載っている株価指標を全て見ているわけではありませんが、少なくともヤフーの株価情報量には大きな差があると言えます。
実際に株式投資における指標は、日本とアメリカでは、アメリカの方が見るべき指標が多いです。
投資に関する記事や経済ニュースを見ていても強く感じます。
野球におけるメトリクス
メトリクスは株式だけでなく、アメリカ文化のあらゆる所に見受けられます。
その代表的なものが野球です。
アメリカの野球にはセイバーメトリクスという考えがあり、選手の勝利に導ける能力を数値化し、その数値が高い選手を集めてチームを強くするという考えです。
マネーボールという映画がありますが、この映画はまさにこのセイバーメトリクスを実践してメジャーリーグのチームを強くした実話です。
野球には打率や打点、盗塁数といった多くの指標が存在しますが、ここでもアメリカは日本より多くの指標を持っています。
NPB(日本プロ野球)の打撃指標
日本のプロ野球の公式打撃記録になります。
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指標数は22個です。
MLB(メジャーリーグ)の打撃指標
続いてアメリカのメジャーリーグの打撃指標になります。
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28個と日本より多いです。
詳細は割愛しますが、差異は6個ですがこの中にはかなり重要な指標も含まれて居ます。
労働市場におけるメトリクス
アメリカは転職社会です。
転職において自分の能力を客観的に証明できるものが資格であり、アメリカは資格社会でもあります。
資格は能力の具体化と言え、メトリクスの一つと言えます。
日本とアメリカ以外の資格事情はわかりませんが、おそらく世界的に見てもアメリカはかなりの資格社会であると考えます。
メトリクスは再現性の高さに繋がる
野球以外のスポーツでも、アメリカで一番人気のあるアメフトでも様々な指標が使われています。
バスケやアイスホッケーでも使われていますし、テニスやゴルフなんかでもアメリカのテレビではおそらく他国より多くの指標を持ち出してきます。
テレビを見ていても、あらゆる情報の分析データが出てきますので、もはや分析はアメリカの文化と言っても良いと思います。
指標が多いということは、そのモノゴトをより客観的に見れるということ。
株式の世界でも多くの指標があるということは、再現性が高いことを意味します。
事実僕自身は株式投資においてはベン・グレアムの7つの基準を使っていますが、今のところは結果が出ています。
もちろん株式の結果はたまたまの可能性もありますが、多くの指標を使って分析すればするほど、その事象を客観的に見れることは事実です。
主観ではなく、データに基づき客観的に、というのは株式のみならず、スポーツや勉強、仕事や日常生活にも応用できることだと思います。
「メトリクス」を知っておくことは人生においてプラスになるかもしれませんね。