こんにちは、サラリーマンのMMです。
居住地を決める時、多くの人は「勤め先から近い」という基準を重視すると思いますが、この基準のために居住地の選択肢が狭められているという一面もあります。
東京を始めとする大都市で働くことは高い収入を得られる可能性を上げてくれますが、一方で支出も高く、豊かな生活をするには更に稼がなければいけないというジレンマもあります。
以前から思っていたのが、給料の高い東京で働き、物価(特に住宅費)が抑えられる郊外に住むのが最もコスパが良いのでは、ということです。
郊外に住むとどうしてもネックになるのが「通勤時間」ですが、新幹線通勤を考慮に入れると居住地の選択肢は一気に広がります。
メリット、デメリット、その他多くの問題もありますが、「新幹線通勤」という選択肢について考えてみようと思います。
目次
新幹線通勤のメリット
新幹線通勤のメリットを見てようと思いますが、主に下記の3点に集約されます。
居住地候補が一気に広がる
一つ目のメリットは通勤範囲が広がるため、居住地候補が一気に増えることです。
下記は東京駅から新幹線各駅への所要時間、在来線(普通電車)の所要時間を表しています。(参照 Yahoo!路線図)
在来線(普通電車)の場合、一時間で行ける距離は約50kmとなりますが、新幹線の場合は100km~150kmと2倍、3倍にもなります。
東京が勤務地の場合、通常住むとしても東京か隣接している埼玉、神奈川、千葉になると思いますが、新幹線の場合は栃木、群馬、長野、静岡までもが範囲となります。
通勤時間は同じでも、移動距離が長くなることで住む場所の選択肢は増えます。
バブル期には都心部の住宅が高くて買えず郊外に進出する人が多かったことから、新幹線通勤をサポートする企業も多かったようですね。
通勤時間が自由時間になる
「通勤時間を自由に使える」はネット上でも多く見るメリットです。
普通電車で通勤をする場合、運が良ければ座れますが、そうでないと立ちっぱなしのこともあります。
また座れたとしても朝は満員ですので、音楽を聴く、スマホを見る以外のことを行うのは難しいですね。
ですが、新幹線通勤の場合自由席ではありますが、ほとんどのケースは座ることが出来、しかもテーブル、電源、車両によってはWiFi完備があるなど、オフィス環境を作ることが出来ます。
リモートワークができる業務形態であれば仕事をすることができますし、そうでなければ読書、音楽、自己啓発、副業なんかにも充てることが出来ます。
通勤時間にして自由時間ですね。
天候不良に強い
新幹線は普通電車より天候不良に強く、ダイヤが乱れることはありません。
もちろん大型台風の時や事故が起きた時は乱れますが、時間も正確で、普通電車が遅れるような天候でも通常通り運行されています。
新幹線通勤は長距離のため、ちょっとした遅れが普通電車の何倍も響きますが、天候不良時には普通電車よりも強いと言えます。
新幹線通勤のデメリット
次に新幹線通勤のデメリットもまとめてみます。
定期代が高い
最大のデメリットは「定期代が高い」ことに尽きます。
下記は東京駅から新幹線各駅への1ヶ月の新幹線定期代、在来線定期代、その差額を表しています。(参照 Yahoo!路線図)
いずれの地域もざっくり定期代が1.5~2倍程度、実額で言うと4万円~6万円追加になっています。
おそらく多くの会社では在来線での定期代は一定額までは支給、新幹線代は至急無しというパターンかと思います。
もし在来線定期代を全て出してもらえたとしても、毎月5万円前後の出費となるのは家計には痛手ですね。
すぐに家に帰れない
子供の具合が悪くなった、住居のトラブルが起きた、自分が相対することになった、等の場合でも、新幹線は本数が少ないことから在来線より時間が掛かります。
また地震や台風で電車が止まった場合、物理的な距離が遠いので家に帰れないリスクがあることは理解しておかなければいけません。
定期がICではなく磁気のみの区間がある
現在は通常定期であれば Suica や Pasmo といったICカードが主流ですが、新幹線定期においてはICカードではなく、磁気定期のみの区間があります。
東京~埼玉、栃木、群馬、長野方面に関してはICカード定期が有り、東京~福島、神奈川、静岡方面に関しては磁気定期となっています。
磁気定期の場合、万が一紛失しても再発行が出来ず、高額な定期を再度購入しなければなりません。(参照:JRおでかけねっと)
ICカードではあればIT管理されていますので、使用停止、再発行手続きを取れますが、磁気定期の場合は常に無くさないように注意を払っておかなければなりません。
勤務先への確認事項
新幹線通勤をするとなった場合、スムーズに出来るよう勤務先へ確認しておくべき点がありますので、それを下記の3つにまとめました。
新幹線通勤が認められているか
一つ目はそもそも新幹線通勤が認められているかどうかです。
これは会社が新幹線通勤定期を出してくれるかではなく、遠方に住むこと、新幹線を通勤手段として認めているかどうかという意味で、ほとんどの会社は問題ないと思います。
ですが会社規定にある場合は、法律的に問題なくてもわだかまりを残す可能性がありますので、事前に確認しておくことが良いですね。
通勤費用(定期代)がどこまで出るか
二つ目は定期代がどこまで出るか、です。
会社によっては最大5万円まで、10万円まで、上限無しで全額負担というケースもありますし、在来線は全額負担だが新幹線(特急)は自己負担というケースもあります。
これらは勤め先の通勤費の取り扱い規定に書かれていると思いますので、確認が必要になります。
新幹線定期も出してくることが理想ですが、在来線のみ会社負担で新幹線は自己負担というパターンが最も多いと思います。
出退勤時間の制限
本数が少ない新幹線通勤をしている以上、出退勤時間が通常よりも制限されます。
基本的には早出も残業も問題ありませんが、万が一間に合わなかったり、残業も途中で切り上げなかればいけない場合も出てきますので、事前に確認しておくと安心です。
新幹線定期代を安くする方法はある?
個人的には住む場所の選択肢を広げられる、通勤時間を自由時間に出来るという意味で新幹線通勤にメリットを感じていますが、何といっても定期代が高いことがネックです。
そこで何とか新幹線定期代を安くする方法はないか考えてみましたが、下記の2つが挙げられます。
劇的に安くなるわけではありませんが、それでもおトクになるはずです。
REXカード利用で1.25%のキャッシュバック
新幹線通勤をすると通常定期と合わせて大体100万円以上の支出が発生します。(勤務先が在来線全額負担の場合、自己負担や50-60万円)
この支払いをキャッシュバック率1.25%のクレジットカードである REXカードを使えば、年間12,500円が戻ってくることになります。
大きな出費ですが、少しでもおトクな支払いをしたいですね。
*但し近年のクレジットカード業界は状況的に厳しく、キャッシュバック率の引き下げやポイント還元率の引き下げが行われているおで注意が必要です。
特定支出控除を利用
サラリーマンであっても仕事に掛かった費用を経費として確定申告すれば(特定支出控除)、税金を安くすることができます。
収入に応じて下記8項目の合計支出(自腹)が一定額を超えた場合に、課税所得から減らすことができます。(参照 国税庁ホームページ)
- 通勤費
- 転勤に伴う転居のための支出
- 職務に直接必要となる研修を受けるための支出
- 職務に直接必要な資格取得費用
- 単身赴任などの場合の帰宅旅費
- 職務に関連する図書費
- 勤務に必要な衣服購入費
- 職務上関係のある者に対する接待費
*下3つに関しては収入に関わらず合計65万円まで
また年間収入300万円~1,000万円の場合の特定支出控除を受けるための基準額は下記のとおりです。(参照 国税庁ホームページ)
上記8つの支出合計(自腹)がそれぞれの基準額を超えた分が課税所得から減らすことが出来ます。
例えば年収600万円で、新幹線通勤費が60万円、仕事に関わる資格取得費用が10万円、仕事に関わる書籍代が10万円、スーツ代が10万円の合計90万円が掛かる場合、
特定支出 90万円 – 基準額 87万円 = 3万円
を課税所得から引くことが出来ます。
難しいですがこの金額が丸々戻ってくるわけではなく、あくまで課税所得から引けるになり、年収600万円の場合、3万円を課税所得から引くと安くなる税金の額としては約6,000円程度となります。
そもそも特定支出の基準を超えることが難しいですし、超えたとしても税金への影響も大きくありませんが、超えることがあればしっかりと抑えておきたいですね。
我が家の考え
子供の頃から一軒家に憧れがあること、アメリカ赴任で少し広い家に住み、良さを知ったので、広めの一軒家を欲しいと考えています。
一方で予算にも限りがあり、余りに高いと支払いに追われる生活になります。
そんな状況において新幹線通勤をすると、都心部より安い郊外に一軒家、しかも広い、を買える可能性が出て来ますので、選択肢の一つとして考えています。
ですがやはりネックは通勤費の高さです。
月5万円の持ち出しの場合、年間60万円、10年で600万円、20年で1,200万円となります。
それでも都心部に家を買うより安いかもしれませんが、毎月の高額な支出が心理的にも痛手ですね。
投資家としての方針を変えて毎月5万円が入ってくる投資手法とするか、新幹線通勤時間を利用して副業をするか、お金の問題が解決すれば新幹線通勤の可能性は高くなりますね。
オススメの新幹線通勤ブログ
新幹線通勤に興味を持っても実際にしている人は周りには中々いません。
そんな時はやはりブログが便利です。
新幹線通勤をテーマにしているブログはいくつかありますが、個人的に参考にしているのが軽井沢から通勤するIT系会社員のブログです。
元々は都内に住まれていましたが、軽井沢に移住、そこから新幹線通勤をされている方で、新幹線通勤について、地方移住についてわかりやすく本音で書かれています。
また仕事もIT系ということでリモートワークされていて、新幹線内や新幹線の待合室で仕事されている様子も綴られています。
地方移住や新幹線通勤を斡旋するのではなく、あくまで当事者が思うこと、というスタンスで書かれているのでとてもためになります。
まとめ
新幹線通勤について考えてみました。
望む人はそこまで多くないと思いますが、選択肢として持てることは大きいと思います。
定期代の問題とリモートワーク等の自由な働き方が導入されればもっと身近になるかもしれません。
一番良いのは仕事を気にせず住む場所を決めることですが、現状では中々難しく、職場を中心にせざるを得ません。
そんな状況において新幹線通勤は数少ない居住地の選択肢を広げてくれる手段ですので、考慮に入れておきたいですね。