こんにちは、米国赴任中のMMです。
日本で働いていると基本的には定年退職制度がありますので、定年まで勤める上げるか、もしくは定年より5年早く辞める早期リタイアの2種類の選択肢があります。
一方、そもそも定年退職の概念が無いアメリカでは、いつリタイアするという明確な基準はありません。
そんな背景もあってか、リタイアについての考えも日本より多いことを、ニュース記事やブログを読んでいて感じます。
パーソナルファイナンスブログである Afford Anything に米国における4つのリタイアメントタイプの話題がありましたので紹介してみようと思います。
目次
米国の4つのリタイアタイプ
4つのリタイアタイプとそれぞれのメリット、デメリットを挙げてみます。
通常リタイア
一つ目は通常リタイア(Traditional Retirement)です。
日本の定年退職に最も近い考えで、年齢としては55歳以上からが対象となっていて、アメリカでは最も一般的なリタイアのタイプになります。
リタイアまでは仕事をずっと継続し、リタイア後は仕事を一切しない前提となります。
メリット
- リタイア実施以降は全てが自由時間
- 経済的自由を手に入れられる (=働く必要が無い)
- 毎月の給料から15-18%の貯金をすることで達成できる
- 多くの人が行っているため情報が多い
デメリット
- 自由時間を手に入れられるタイミングが55歳以降と遅い
- 数十年間そこそこの節約をし続ける必要がある
- リタイアするころには体力が落ちている
早期リタイア
二つ目は早期リタイア(Early Retirement)です。
25~55歳でのリタイアを指し、個人的な感覚ではブログとか記事を読んでいると最も目にする機会が多いリタイアタイプです。
通常リタイアと同じく、リタイアまでは仕事をずっと継続し、リタイア後は仕事をしません。
ただ早期リタイアを達成するためには、通常リタイアよりハードワークを行い、短期間でお金を貯める必要があります。
メリット
- リタイア実施以降は全てが自由時間
- 経済的自由を手に入れられる (=働く必要が無い)
- 若い時期にリタイアできれば人生がより楽しくなる
デメリット
- 毎月の給料から50-75%の貯金が必要
- 若い時間(20代、30代、40代)を捧げる必要がある
- 旅行や何かをしたいという情熱を10~20年間遅らせなければならない
セミリタイア
三つ目はセミリタイア(Semi Retirement)です。
セミ(Semi)とは「半分、準」を意味するラテン語で、半分リタイアという意味になります。
具体例としては通常週40時間の労働を15~25時間に抑えて、残りの時間を娯楽の時間に充てるスタイルになります。
ストレスにならない程度の労働をずっと続けることで、時間を手に入れつつ無理の無い範囲でお金も得ることができます。
メリット
- すぐにスタートできる
- やりたいことを数十年も先送りする必要が無い
デメリット
- 引き続きお金を得るために時間を使わなければならない
- 経済的自由を手に入れられない (必要は無い?)
- 収入が下がるためある程度の蓄えが必要
ミニリタイア
四つ目はミニリタイア(Mini Retirement)です。
セミリタイアはマラソンに例えられますが、このミニリタイアはインターバル走(ダッシュ、休憩、ダッシュ、休憩…)に例えられます。
具体例としては、6ヶ月間仕事をして、残り6ヶ月は自由に過ごす、といった感じになります。
仕事をプロジェクト単位で引き受けるフリーランサーやギグエコノミー等があてはまります。
メリット
- すぐにスタートできる
- やりたいことを数十年も先送りする必要が無い
- 自由な時間を思いっきり楽しむことができる
- 仕事に心機一転で向き合うことが出来る
デメリット
- 引き続きお金を得るために時間を使わなければならない
- 経済的自由を手に入れられない (必要は無い?)
- 労働(ハードワーク)から脱出することが出来ない
「仕事を完全に辞める」か「働き続ける」か
4つのリタイアタイプの内、2つは今後働かない、もう2つは働き続けますが、いずれのタイプも1年を通してフルタイムで働いていません。
フルタイムで働かないこと=リタイアという考えに繋がっているのかなと感じます。
ただ仕事を完全に辞めるか、働き続けるかでどのリタイアタイプを目指すかが変わります。
完全に辞めれば自由な時間を一気に手に入れることが出来ますが、何より達成までの時間、苦労も多いです。
一方働き続ければ自由な時間を早くから手に入れることは出来ますが、労働から逃れることは出来ません。
まだまだアメリカでもリタイアというと通常リタイアか早期リタイアが圧倒的に多いと思いますが、若い人にとってはセミリタイアやミニリタイアの方がより充実した人生を過ごせそうですね。
今後働き方や働く仕組みが整えば増えてくるかもしれません。
広がりを見せる「ミニリタイア」
最近はミニリタイアの記事を目にすることが少し増えてきてるように感じます。
米国の若い世代は自由な働き方を求めていて、いずれは一つの会社に縛られずフリーランスとしてプロジェクト毎で報酬を貰う、なんていう話も出てきています。
この働き方はまさにミニリタイアに直結する話で、数ヶ月はハードワークでお金を稼ぎ、数ヶ月は休んで余暇を楽しむということも可能になります。
ミニリタイアの元となる考えはティモシー・フェリス著の「週4時間だけ働く」が大きく影響していると言われています。
現時点ではプロジェクト毎で報酬を貰うという働き方は難しいと思いますが、近い将来に出てくるかもしれませんね。
まとめ
米国における4つのリタイアタイプは「通常リタイア・早期リタイア・セミリタイア・ミニリタイア」になります。
主流は通常リタイア、早期リタイアですが、今後の働き方が変わればセミリタイア・ミニリタイアも増えてくるかもしれません。
新しい働き方の導入と同時に個人に求められる成果も上がるかもしれないので、来るべき将来のために自分のスキルを磨いておきたいですね!