こんにちは、バリュー投資家のMMです。
アメリカ株に投資する際はベンジャミン・グレアムの7つの基準を参考にしています。
ベン・グレアム7つの基準 |
---|
S&P格付けB以上 |
負債比率110%未満 |
流動比率1.5倍以上 |
過去5年間EPSを伸ばしている |
株価収益率(PER)9倍未満 |
株価純資産倍率(PBR) 1.2倍未満 |
配当金を出している |
それぞれがどういう意味を持つのかは、バリュー投資家必見!ベン・グレアムの割安株を選ぶ7つの基準 を参照して頂ければと思います。
株式投資の基準は人それぞれだと思いますが、自分としてはウォーレン・バフェットの師であるベンジャミン・グレアムのやり方が単純かつ明快で合っていますので、今後も続けていくつもりです。
今回はそのグレアムの基準に合う株を実際にどのように見つけているかの方法を紹介してみます。
使用サイト、確認順
グレアムの基準に合う割安株を探すために使っているサイトは、格付け会社S&PのS&P Grobal、株価スクリーニングサイトのFINVIZ、経済ニュースを扱っている Wall Street Journalのウェブサイト、の3つになります。
また確認順は下記の通りになります。
ベン・グレアム7つの基準 | 使用サイト | 確認順 |
---|---|---|
S&P格付けB以上 | S&P Grobal | 6 |
負債比率110%未満 | FINVIZ | 2 |
流動比率1.5倍以上 | FINVIZ | 3 |
過去5年間EPSを伸ばしている | WSJ | 7 |
株価収益率(PER)9倍未満 | FINVIZ | 4 |
株価純資産倍率(PBR) 1.2倍未満 | FINVIZ | 5 |
配当金を出している | FINVIZ | 1 |
確認順の通り、FINVIZ ⇒ S&P ⇒ WSJ の順番で実際にどうやって割安株に行き着いているのかを説明していきます。
FINVIZでの調べ方
FINVIZでは下記5項目を確認します。
ベン・グレアム7つの基準 | 使用サイト | 確認順 |
---|---|---|
負債比率110%未満 | FINVIZ | 2 |
流動比率1.5倍以上 | FINVIZ | 3 |
株価収益率(PER)9倍未満 | FINVIZ | 4 |
株価純資産倍率(PBR) 1.2倍未満 | FINVIZ | 5 |
配当金を出している | FINVIZ | 1 |
まずはFINVIZのサイトに行き、赤枠で囲まれている ” Screener”をチェックします。
*以後画像はダブルクリックで拡大します。
次に “Country”の中の “USA” を選択します。
これで米国企業に絞ることが出来ます。
配当金の有無
“Dividend yield” の中の “Positive (>0%)”を選択します。
これで配当金を出している企業に絞ることが出来ます。
負債比率110%未満
続いて下記の一番上の赤枠の通りに “Fundamental” のシートに移ります。
そして“Debt/Equity” の中の “Under 1”を選択します。
本当は110%未満なので、Under1.1 ですが項目がありませんので、ここは Under1 の選択をします。
流動比率1.5倍以上
次に “Current Ratio” の中の “Over 1.5” を選択します。
これで流動比率1.5倍以上になります。
株価収益率 (PER) 9倍未満
“P/E” の中の “Under 10” を選択します。
10倍という意味になりますので実際よりは高いですが、10倍も十分割安ですし、次の項目の Under 5 は基準が厳しすぎるので Under 10 で問題ありません。
株価純資産率 (PBR) 1.1倍未満
“P/B” の中の “Under 2” を選択します。
Under 1 を選択すべきですが、数が一気に少なくなるもしくはゼロになってしまうので、Under 2 としています。
もちろん Under 1 のほうがあるべきなので、選択しても問題ありません。
表示方法の調整
最後に書き赤枠の “Validation” を選択すると、企業が時価総額やその他必要項目が表示され、更に “Market Cap” をクリックすると時価総額順に並び替わります。
そして株価純資産倍率(PBR)は Under 2 と基準より高めで選びましたので、そこだけチェックします。
この時点で残っている企業がバリュー株候補となります。
*この後 S&P Grobal, WSJ のチェックには便宜上、上記企業で一番時価総額が高い Corning Inc (GLW) を使用します。
S&P Grobal での調べ方
S&P Grobal では下記の通り S&Pの格付けを調べます。
ベン・グレアム7つの基準 | 使用サイト | 確認順 |
---|---|---|
S&P格付けB以上 | S&P Grobal | 6 |
まずは S&P Grobal のサイトに行きます。
検索窓に企業名 (ここでは Corning Inc) を入れます。
途中まで入力すると検索候補が出てきますので、それを選択しても問題ありません。
その後 Find をクリックします。
そうすると4項目、場合によっては2項目出てきますが、” Local Currency LT” の ” Rating” を確認します。
” Local Currency LT” は自国通貨の長期債という意味になり、一般的に企業格付けはこの項目で見られます。
Corning Inc の場合は BBB+ ですので、基準を超えていることになります。
*S&P Grobalのサイト使用のために登録が必要な場合がありますが、その時はメールアドレスとパスワードを設定すればあとは自由に使えます。
WSJ での調べ方
WSJ では下記の通り 過去5年間のEPSの伸び を調べます。
ベン・グレアム7つの基準 | 使用サイト | 確認順 |
---|---|---|
過去5年間EPSを伸ばしている | WSJ | 7 |
最初に Wall Street Journal のサイトに行きます。
そして右上にある検索窓をクリックします。
そこで 企業名(ここでは Corning Inc)を入れます。
検索候補が出てくるのでそれを選んでも良いです。
検索企業のページに飛びますので、一番下までスクロールすると、Financialsの箇所に辿り着きます。
Financials に辿り着いたら ” More” をクリックします。
別のページに飛びますが、すぐ下の右側に ” Income Statement” の箇所があり、その隣の企業名をクリックします。
財務指標データが出てきますので、下の方に ある “EPS (Diluted) Growth” が過去5年プラスになっているかを確認します。
Corning Inc は、5年間で一度 EPSがマイナスになっていることがわかります。
以上がバリュー株を探しているために実践しているやり方になります。
基準に当てはまった企業にそのまま投資するのではなく、一応簡単に年次報告書に目を通したり、情報を調べたりして問題が無ければ投資、という流れにしています。
基準は調整しても良い
グレアムの7つの基準を全てその通り使う必要はありません。
投資している業界や、その時の経済状況により変わる可能性があるからです。
各項目の数字を増減させたりや、別の項目を基準に追加することも良いと思います。
基本はグレアムの基準を使って、それぞれで調整していくという使い方が良さそうですね。
グレアムの基準は完璧では無いが再現性が高い
バリュー株や株式投資全体に言えることですが、100%確実に利益を上げられる投資法というのはありません。
バリュー株投資にしても、投資家によってやり方は変わりますし、当然結果も変わってきます。
ですので、グレアムの基準もそれに従ったからと言って利益を上げられる保証はありません。(利益を上げられる可能性は高いと思います)
ですが、このような明確な基準があると再現性が高くなります。
簡単にいうと、この基準に則って投資をすると皆同じ結果を得ることになります。(利益を上げられるかどうかは別として)
株式投資の研究に何年も費やした人と、投資を始めて1ヶ月の人がグレアムの基準で投資をすると同じ結果になります。
グレアムもこの基準に至るまでは何年も研究をし、試行錯誤を繰り返したはずです。
その基準を残してくれたことで、利用する人はグレアムが費やした時間より遥かに短い時間でリターンを得られる可能性があるわけです。
単純明快な基準は理解も楽ですし、時間も節約でき、何より世界的な著名な投資家の投資を再現できるという意味でとても価値のあるものだと思います。
まとめ
グレアムの基準に沿った割安株の探し方は下記の通りとなります。
ベン・グレアム7つの基準 | 使用サイト | 確認順 |
---|---|---|
S&P格付けB以上 | S&P Grobal | 6 |
負債比率110%未満 | FINVIZ | 2 |
流動比率1.5倍以上 | FINVIZ | 3 |
過去5年間EPSを伸ばしている | WSJ | 7 |
株価収益率(PER)9倍未満 | FINVIZ | 4 |
株価純資産倍率(PBR) 1.2倍未満 | FINVIZ | 5 |
配当金を出している | FINVIZ | 1 |
100%この基準ではなく、数値の増減や別の項目を追加したり調整をすることも良いかと思います。
この基準を使うと機械的に株を探すことができますので、時間の節約に繋がります。
投資家にとって時間は大事なモノですので、投資も効率化していきたいですね。