こんにちは、兼業サラリーマンのMMです。
長らく日本で問題になっている長時間労働ですが、その理由には「突破的な仕事が降ってくる」「納期が厳しい」「人手が少ない」等がよく挙げられます。
ですがアメリカで5年弱働いてみて、長時間労働の原因はそもそも「日本語の特性」にあるのではないかと思うようになりました。
目次
日本語は「聞き手主体」の言語
日本語は「一を聞いて十を知る言語」と言われる位「聞き手主体の言語」です。
少ない情報量や少しの発言であってもその意図を汲み取り、そこから多くのことを理解することが出来ます。
俳句や短歌は限られた文字数の中に多くの意味を込める、まさに日本語の特性を生かした文化と言えます。
自分の経験上、このような特性はアジアの国には多少ありますが、それでも日本の方が強く色が出ています。
新入社員研修などでも、「依頼されたことは復唱して確認する」「ホウレンソウ(報連相)をしっかりする」等が教えられると思いますが、これらも依頼を受けた側(=聞き手)が主体となっています。
指示が曖昧であっても聞き手がその意図を理解し、確認した上で回答をするという流れはまさに聞き手の言語である日本語の特性と言えます。
英語は「話し手主体」の言語
一方英語は日本語とは逆で「話し手主体」の言語です。
英語圏の国はいくつかありますが、少なくともアメリカでは完全に話し手主体となります。
基本的に話し手が言っていないことは聞き手は理解できません。
例えば仕事で見積書作成依頼をする時も、依頼側(話し手)がどのような内容で、いつまでに必要かを具体的に示します。
もし曖昧な指示であれば、聞き手の理解で進められ、納期も聞き手側の匙加減になります。
責任はあくまで依頼側(話し手)にあり、必要な成果に結びつくよう聞き手をフォローします。
社交辞令もその言葉通りに捉えられますね。
ビジネスのおいて「聞き手主体」は不都合?
聞き手主体の日本語は、その文化を共有している人同士であれば多くを語り合わなくても理解が出来るので、とても便利な言語です。
ですが、ビジネスの面において「聞き手主体」とても不利で、且つ日本の長時間労働の原因の一つになっていると考えています。
少ない情報から多くを理解し、必要な成果(アウトプット)を出してくれることは依頼主からしてみるととても楽です。
ですが、どのような成果(アウトプット)が必要かは依頼側が一番よく分かっていて、明確で具体的な指示を出す事が最も効率的です。
しかし聞き手主体である日本語においては、往々にして曖昧な指示が多く、その責任が受け手側に渡って任せられてしまうケースが多々あります。
指示が明確であればやらなくてよい事もやらなくてはなりませんが、新入社員研修から言われて来ている通り、これをやることは普通のことになっています。
受け手も大変ですが、依頼主であるマネジメント側も受け手が色々やってくれるのでそれが当たり前となり、本来必要なマネジメント能力に気づくことが出来ません。
いわゆる「丸投げ」の構図が出来上がり、これが長時間労働の原因であると考えています。
指示や依頼内容が曖昧でその責任が聞き手にいってしまうと、必要以上の業務が発生してしまいます。
グローバルスタンダードは「話し手」主体
海外赴任をする人は赴任前研修で「日本語の言語の特殊性」の講義を受けるケースが多いと思います。
世界標準は「話し手主体」であり、普段慣れ親しんだ「聞き手主体」では現地スタッフとのコミュニケーションが難しくなる、という内容です。
特に海外で現地スタッフの部下を持つ人は、「言わなくても意図を汲み取ってくれる」という感覚で接していると、言われていないことはやらない現地スタッフの行動とのギャップに苦しみ、軋轢のきっかけになりかねません。
世界中の人と働く際は各々が違う文化背景を持っていてるため、何をして欲しいかは具体的、明確に伝える必要があります。
「言われなくてもわかって欲しい」や「何でこうなっているか自分で考えて」という言葉は禁句です。
日本語が受け手主体であり、日本では皆そうやっていることを誰も知らないからです。
「英語社内公用語化」は労働時間削減に繋がる?
日本語は聞き手主体の言語であり、それがビジネスの場でそのまま使われていることで長時間労働の一因になっています。
そのため長時間労働を是正するためには、ここを変える必要がありますが、「英語社内公用語化」は一案だと考えています。
現代ビジネスは西洋文化、英語文化の上に成り立っているので、英語との相性が良いです。
話し手主体になることで、聞き手への責任転嫁が無くなりますし、それだけでも労働時間への短縮に繋がります。
ですが、日本は英語の母国語でない以上、英語そのものを公用語とするとかえって効率が悪くなってしまいます。
なので、ビジネスの面においては日本語を使いつつ、「英語文化」を取り入れてみるのも有りかと思います。
- 話し手主体 (責任は話し手)
- 敬語無し
- 社交辞令無し
- 年功序列無し
あくまで長時間労働是正を目的としているので、ビジネスの場面のみです。(日常生活は今と変わりなし)
日本語を使いつつ上の条件を満たすというのは厳しいですが、実際にアメリカで英語を使って働いているとこれらが無いだけで効率化が図れていることを実感しています。
英語の社内公用語化を進めている企業もいくつかあり、賛否両論ありますが、もし英語にすることによって効率化が狙いであれば良い事だなと個人的には思っています。
※日本人同士でただ英語にするだけでは効果が無いと考えます。日本人同士では言葉が少なくとも意志の疎通が取れ、肝心の英語文化を取り入れるまで行かないので‥
まとめ
日本語は一を聞いて十を知る「聞き手の言語」であり、英語は「話し手の言語」です。
それぞれの言語に特性はありますが、現代ビジネスは英語文化を基にしているため、日本語文化そのままでは不利な点があり、長時間労働の一因に繋がっていると考えています。
そのため英語文化を一部取り入れることで、業務効率化に繋がるのではという提案になります。
人生を豊かにするためには労働時間の短縮の重要な要素の一つになりますので、何とか上手くやっていきたいですね。