こんにちは、兼業投資家のMMです。
投資による資産運用を行っていますが、お金を減らさないことを第一に考え、投資に関する知識を身につけ、実践をしています。
ただ時々思うのが、投資においては運と実力のどちらが重要か、ということです。
2015年から米国市場での投資を行っていますが、現在のトータルリターンは16%を超え、知識をつけて実践した結果だと思っていました。
ですがよく考えてみればこの期間の米国株式市場は右肩上がりで、ダウ平均も市場最高値を更新するなど、誰もが利益を上げられる環境であったことも事実です。
この「運vs実力」については、アメリカでもよく目にする話題ですので、投資においては運と実力はどちらが重要かということを考察してみようと思います。
目次
投資の成功は70%が運?
パーソナルファイナンスサイトの kiplinger に興味深い記事があります。
世界最大の金融機関であるクレディ・スイスの世界金融戦略部門トップであるマイケル・モーブッサン氏が著書「成功への方程式 (Success Equation)」の中で投資において運と実力がそれぞれ何割を占めるかを示しています。
下記がその図となります。
参照元: Skill Versus Luck in Investing
投資(Investing) は、ルーレット (Roulette)、スロット (Slot Machines)に次いで運が必要とされ、成功には運が7割を占め、実力は3割とされています。
その根拠はいくつかありますが、個人的に最も説得力があると感じたのは「不運はいかなる実力も凌駕していまう」です。
例えば企業分析をしっかり行った上で成長企業や割安企業に投資したとしても、そこから市場全体が不況に陥ってしまったら損をしてしまいますし、不祥事等で倒産をしてしまえば投資したお金を失うことになります。
実力というのは曖昧な表現ですが、過去の投資経験が十分にあり詳細な分析から精度の高い予測を出来ることとしても、確かに予期せぬ不運が起きてしまった場合利益を上げることが出来ません。
自分の経験からは「運」が重要
実は自分自身の経験からも運が重要だと感じています。
2011年後半から日本株と、株式投資ではないですがFXでの投資を始め、米国赴任の2013年に全て手仕舞いをしましたが、日本株のトータルリターンは+20%、FXは3万円が14万円(+467%)となりました。*金額の絶対額は少ないです。
元々投資知識が無い中始めましたが、少し知識をつけてその通りやった自分の実力だと思ってて若干勘違いをしてしまいました。
ですが、よくよく振り返ってみると僕が投資を始めた2011年後半から手仕舞いをした2013年初頭までというのは、日本株式市場も急上昇、円安が急激に進んでいて、投資をしている人であれば誰でも利益を得られた期間になります。*FXは円売りのロング前提
下記は Trading Economics から日経平均とドル円の10年チャートなりますが、赤枠が投資を始めた時期、青枠が売却をした時期になります。
日経平均10年チャート
ドル円10年チャート
図で見るとよくわかりますが、投資をよくわかっていなかった自分でも利益を得ることができたのは、タイミングが良かった=運が良かったといえます。
もし2008年から2011年の期間の投資だったら間違いなく損をしていましたので、運が非常に重要だと自分の経験から思います。
市場平均に大負けすることは出来る?
それでも投資における実力が30%というのは少ない気がしますが、この疑問に対して 大手金融サイトの Forbesの記事が参考になります。
ここでもクレディ・スイスのマイケル・モーブッサン氏が出てくるのですが、投資における実力が占める割合が少ない根拠として、市場平均に大負けする個別株を選ぶことが出来ないことを挙げています。
もし「10銘柄程度の構成で市場平均に大きく負け越して欲しい」と要望された場合、確かに殆どの人には難しいのではと思います。
いつもは市場平均にいかに勝てるか、という見方しかしていませんが、市場平均に負ける銘柄を選ぶのも実力があれば出来そうです。
ですが、多くの場合は10銘柄程度を選べばある程度は市場平均に連動してしまい、大負けするにはかなりのサプライズが必要としています。
なので30%が投資における実力の要素というのは妥当かもしれません。
成功確率を高めるためには「長期投資」と「アセットアロケーション」
投資における実力が30%しかないなら知識をつけないで適当に投資しても良いか、というとそうは思いません。
30%というのはとても大きいですし、中にはその30%の実力を最大化させて大きな成功を収めている人もいます。
運が70%を占めるといっても運というのは自分にはどうしようも出来ないことなので、出来るだけその影響を少なくすることが、多くの人にとって投資において利益を得る確率を上げる方法だと考えます。
世界的な投資家も口にしていますが、そのためには「長期投資」と「アセットアロケーション」が重要であると考えます。
長期投資
現代の資本主義においては世の中に出回るお金は永遠に増え続け、それによりGDPも右肩上がり、株式市場も成長を続けると言われています。
短期間での投資とするとたまたま好況の時であれば利益を得ることができますが、不況時では損をしてしまいます。
ですが、それが長期となれば好況と不況の波を超えて右肩上がりになっていくはずですので、利益を得られる確率が高くなります。
また個別株に集中投資をすると、業績低迷や粉飾決算などで最悪倒産というリスクも長期では100%防ぐことが出来ませんので、いくつかに分散することが重要ですし、市場連動(インデックス)に投資するのも良い選択だと考えています。
アセットアロケーション
長期投資をして順調に利益を得られたとしても、投資を終えようと思っている最後の1年間で大暴落に巻き込まれてしまったら今までの利益は無かったものになってしまいます。
このような事態を避けるためには、投資を終える数年前から株式投資から現金や債券等の変動要素が少ない金融資産へのアセットアロケーションの見直しが必要になります。
利益を積上げてきたものが直前で急激に減らないようリスク管理が大事になりますね。
知識は運の割合を下げられる
確かにどんなに良い投資法を選択したとしても投資から引き上げるタイミングで暴落してしまう可能性があります。
また投資した企業の倒産や不祥事等も予測することは出来ません。
ですが、投資の知識を身に付けることで運の要素を小さくすることは出来ます。
例えば株式市場が上昇と下降を繰り返すことを知っていれば短期的な下落でも損切りをせず、上昇を待つという判断をすることが出来ます。
また個別株投資でも一社に集中投資をするのではなく、分散投資をすることで万が一の倒産や不測の事態でのダメージを少なくすることが出来ます。
偉大な投資家の投資手法を学ぶことで成功へのヒントを得ることが出来ます。
投資で大成功を収めるためには運も必要になりますが、知識は負けない投資=損をしない投資に大いに役立つと考えています。
なのでこれからも投資の勉強は続けて運の要素を少なくしていこうと思います。
まとめ
以上が株式投資における成功は「運」と「実力」どちらが重要か、についての考察になります。
あくまで一意見ですので、人によって運と実力が占める割合の感じ方は違うと思います。
現在の自分の状況的には運の要素が大きいと感じ、市場が良ければ投資結果も良いですし、悪ければ悪くなる傾向にあります。
ただ長期投資とアセットアロケーション次第で投資の成功確率を高めることが出来ると考えています。
また知識を増やすことで運の要素も減らすことが出来ます。
投資で利益を出せていたとしても自分の実力ではなく、運が良かっただけと考えて、常に気を引きしめておくことが重要ですね。
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