こんにちは、アメリカ赴任中のMMです。
投資大国アメリカには、多くの偉大な投資家がいますし、「お金」に関する知識も多く蓄えられています。
イメージでは金融教育も他の国よりはされていて、金融リテラシーも高いのではないかと思います。
実際にアメリカ人の金融教育はどのように行われているのか興味があったのですが、勤め先で米国バンガード主催で「経済的自由に向けての講座」が開催されました。
アメリカ人スタッフ向けでしたが、アメリカでの金融教育に触れる良い機会だと思って出席をしてきました。
テーマは「経済的自由について」ですが、早期リタイア目的ではなく人生におけるお金との付き合い方に焦点を当てたものです。
企業の従業員向けのためそこまで深い内容ではありませんでしたが、アメリカでの考えにも触れられましたし、自分の中でも気づきがありました。
内容としてはバンガードのサイトにも載っていますが、実際に現地で聞いて感じたことをレポートをしてみようと思います。
目次
「経済的自由に向けての講座」概要
世界最大の投資信託会社であるバンガードから老後資金教育( Retirement Education) 担当の方が勤め先に来てくれて講座を開いてくれました。
概要は下記の通りです。
- 出席者は50人ほど
- 男女比率は7割女性、3割男性
- 年齢層は40代が一番多く、次いで50代、30代、20代
- 45分の講義、15分の質疑応答
日本でも「お金」にまつわる講義に出たことが無いのですが、女性比率がかなり高かったのが意外でした。
社内の男女比は大体半々か男性が少し多い位ですが、出席者に女性が多いということは家計の中心を女性が担っているということかなと推測しました。
また独身者もいたはずですので、もしかしたら女性の方がお金に対して現実主義なのかもしれませんね。
年代は一番支出が多いであろう40代が多い印象でしたが、20代30代もちらほら見受けられました。
昼休み中に開催されましたが、個人的な印象としては結構多くの人がきていて、やはり「お金」に関する関心が高いということでした。
経済的自由への5つのステップ
バンガードの担当者の方は経済的自由へは5つのステップがあるということで、それぞれに対して説明をしてくれました。
各項目に入る前に「人生とお金」についての説明がありましたが、「幸せな人生を送るためには収入と支出のバランスが重要、このバランスが崩れると幸せからは遠ざかる」ということを言っていて、とても共感が出来ました。
お金は単なる手段でしかありませんが、そのお金を理解することは幸せな人生をサポートしてくれることに繋がる、と理解しています。
講義の中で言われていた経済的自由への5つのステップを紹介します。
現金払いをする
1つ目に挙げられていたのは「現金払いをする」です。
アメリカではほぼ全ての店でクレジットカードが使えますし、クレジットカードのボーナスも多い、いわばクレジットカード大国と言えます。
殆どの人はクレジットカードを複数枚持ち、支払もほぼカードで済ませますが、クレジットカードは支払いを先延ばしにしている借金です。
お金の苦労から解き放たれる(=経済的自由を手に入れる)ための必須条件は稼いだ以上に使わないことです。
クレジットカードを使う場合、しっかり管理をしていないとついつい使い過ぎてしまい、借金を背負うことになってしまいます。
ですが、現金払いであれば使い過ぎの心配はありません。
そのため経済的自由の条件の一つとして現金払いが上げられています。
家計の予算化をする
2つ目は「家計の予算化をすること」です。
現金払いをする、でも挙げられていますが、稼いだ以上に使わないというのは経済的自由を達成するためには必須項目です。
これを効率的に行うためには、収入がいくらかを把握し、同様に支出がいくらかを把握する家計の予算化ことが必要です。
予算化をすることで、収支の目安を立てることができ、その目安に対して下回ったか上回ったことがわかり、具体的に何の項目で差異が出たのかが分かります。
予算があれば実績との差異が分析ができ、次に向けた行動に繋げられます。
昔はノートに記録をしなければなりませんでしたが、今はアプリで簡単に管理が出来ます。
企業活動でも必須の予算は、経済的自由のためには家計でも必須となります。
収入の12-15%を貯蓄に回す
3つ目は「収入の12-15%を貯蓄に回す」です。
一般的な貯蓄の理想比率は20%と言われていますが、まずは 12- 15%を目指すべきです。
いきなり高い貯蓄比率を達成しようとすると無理をすることになり、結果的に長く続かない可能性があります。
重要なのは毎月貯蓄を積み立てること、経済的自由には継続することが重要です。
生活防衛資金を用意する
4つ目は「生活防衛資金 (Emergency Fund) を用意する」です。
Emergency Fund とは人生における経済的なサプライズ出資を補うために取って置かれるもの。予期せぬ出来事はストレスになり、経済的にも厳しい。
直面する緊急事態とは具体的には次のことが挙げられる。
- 失業
- 病院 (歯医者含む)
- 住居の修繕費
- 車の故障
- 予定していなかった交通費
−バンガード社HPより
*生活防衛資金の詳細はこちらを参照してください。
人生何が起こるか分からず、万が一の出費に備えてお金を用意しておかないと経済的なトラブルを抱えてしまいます。
そのために生活防衛資金が必要としていますが、講義においては少なくとも3か月分が必要とされていました。
これは独身者であっても家族がいる人でも同様に必要になります。
借金の返済を優先する
5つ目は「借金の返済を優先する」です。
ここで言う借金とは、住宅ローン、車のローンから、学生ローン(奨学金)、クレジットカードの支払い残高も含みます。
一般的に手持ちのお金を借金の返済に充てるか、資産運用に充てるかは、支払い利率と資産運用の期待リターンの比較で判断されます。
支払い利率が3%で、資産運用のリターンが5%であれば、資産運用に回すという判断がされます。
ですが、今回の講義では「経済的自由とはお金の苦労から解放されること、そのためには借金の返済を優先して借金を無くすことが必要」とのことでした。
確かに借金をしていると常にプレッシャーを感じそうですし、皆が皆投資に長けているわけでもありません。
そのため借金の返済を優先させることが必要です。
印象に残ったこと
講義の中で2つ印象に残ったことがありましたので、紹介します。
収入より支出を抑える
「 spend less than you earn (収入より支出を抑える)」ということが講義の中で何回か強調されていたので、とても印象に残りました。
これは日々の支出だけではなく、ローンを組む時も同じです。
そのために、家計の予算化とともに人生設計が重要だと言われていました。
収入より支出を抑えるというのは当たり前のように感じますが、普段から収支管理をしていないと難しいものです。
更に今後何が起こるか分からない人生の将来の計画を立てるのもとても難しいことです。
ですが、今後の収支計画を立てられないと経済的な問題に直面することに繋がります。
そのため、ある程度概算でも良いので考えておけば備えることが出来ますね。
見栄の出費は不要
上記の支出>収入とも関係しますが、見栄の出費は経済的自由から遠ざかると言われていました。
バーバリーの服やBMWの車で出費を増やすのではなく、使い勝手が良く経済的なホンダ シビックを選ぶべきであるとのこと。
見栄の出費を避けることは、ウォーレン・バフェットやマーク・ザッカーバーグを始めとする世界的な富豪も行っていることですね。
周りの目を気にした出費ではなく、本当に自分に価値のあるものは何かを見極めてお金を使うことが経済的自由に繋がっていくのだと思います。
参照記事 : 資産を増やすにはまず「節約」!節約家でもある世界的富豪7人から学ぶ
まとめ
今回受けた講義の中で言われていた経済的自由への5つのステップは以下の通りです。
- 現金払いをする
- 家計の予算化をする
- 収入の12-15%を貯蓄に回す
- 生活防衛資金を用意する
- 借金の返済を優先する
内容としてはネット上にあるものと大きな差はありませんでしたが、改めて話を聞くと予算の重要性や支出は収入の範囲内に抑えるなど、重視される所が知れて良かったです。
バンガードの人が話をしてくれましたが、特にバンガードで資産運用を、といった営業もなく、金融リテラシーの向上を目的としている感が伝わりました。
皆が勉強するようになれば自ずと証券会社に口座を開き、顧客になってくれますね。
実際に話を聞くのはとても面白いので同様の機会があればまた参加してみようと思います。
コメント
「現金払い」をするというのはいかにもクレカ社会の防御策ですね。
全体的に日本でも言われている基本的な講義だなと感じました。
クロスパールさん
そうですね、クレジットカードか普及して使いすぎるからこその現金回帰ですよね。
内容自体は確かに目新しいものは無かったと思いますが、こういう機会が定期的にあることで金融リテラシーの向上と意識の高さにも繋がっていくのかなと思いました。