こんにちは、米国赴任中のMMです。
毎月の支出管理のおかげで、米ドルでもある程度まとまったお金が貯金として出来ています。
毎月積立投資を行っていますが、その金額より貯金額の方が多く、この貯金のお金は眠ったままとなっています。(雀の涙程の利子はついています)
海外駐在員だと急にまとまったお金が必要になることありませんので、極端な話全額投資に回しても良いのですが、帰国のことを考えると全てを投資に回すのはリスクが高いです。
かと言ってお金を寝かし続けるのももったいない事ですので、何とかリスクが限りなく小さくお金を増やす手段は無いかなと考えたところ、譲渡性預金 (Certificate of Deposit)が選択肢として挙がってきました。
アメリカにおいて最も安全な資産運用と言われる 譲渡性預金(CD)は、リスクは取れないけど少しでもお金を増やしたい人には良い方法です。
譲渡性預金 (Certificate of Deposit)とは
日本では聞きなれない 譲渡性預金(CD) という言葉ですが、アメリカでは定期預金とほぼ同じです。
通常定期預金はその預金者しか引き出すことが出来ませんが、譲渡性という名の通り他人への譲渡や売買が可能で、証券とも似ています。
日本では定期預金よりも良い利率となっていますが、預け入れ金額が1,000万円以上や5,000万円以上と法人向けとなっています。
一方アメリカでは日本の定期預金というものがなく、譲渡性預金(CD)が通常の定期預金として扱われています。
銀行で専用口座を開けば譲渡性預金への預け入れが出来ますし、証券会社の口座からでも色んな銀行の譲渡性預金が可能です。
譲渡性預金(CD)の利率
アメリカには利子が付かない 当座預金口座(Checking Account)、利子が付く貯蓄口座(Saving Account)があります。
貯蓄口座の平均年利率は0.06% (CNN Moneyより)、譲渡性預金の平均年利率は 0.27%(Bankrate より)と、平均だけで比べると譲渡性預金の方が4倍の利率となっています。
0.27%と聞くとあまり高くなさそうに聞こえますが、2017年9月時点の譲渡性預金の年利率TOP10を下記に示してみます。(参照: NerdWallet)
銀行 | 1年定期 | 5年定期 |
---|---|---|
Ever Bank | 1.62% | 2.00% |
Goldman Sachs Bank | 1.50% | 2.40% |
synchrony Bank | 1.50% | 2.35% |
ally Bank | 1.50% | 2.25% |
Barclays | 1.45% | 2.30% |
BBVA Compass | 1.40% | – |
Discover | 1.35% | 1.70% |
Sallie Mae Bank | 1.25% | 1.80% |
Colorado Federal | 1.25% | – |
MELROSE Credit Union | 1.21% | 2.12% |
いずれも1年間の預け入れでは1.2%以上、5年間の預け入れだと約2%以上と定期預金にしてはかなり高い印象を受けます。
もちろんアメリカのインフレを考慮しなければ行けませんが、それでも預金だけでこれだけの利率であれば、現金を寝かせておくのはもったいないと感じますね。
国債・社債との比較
次に安全性が高いと言われる米国債、社債(格付けAまで)、地方債(格付けAまで)と比較をしてみます。( 参照 Charles Schwab)
種類 | 1年利回り |
---|---|
譲渡性預金 | 1.50% |
米国10年債 | 1.38% |
政府機関債 | 1.42% |
社債(AAAランク) | 1.37% |
社債(AAランク) | 1.52% |
社債(Aランク) | 1.84% |
地方債(AAAランク) | 1.68% |
地方債(AAランク) | 1.35% |
地方債(Aランク) | 1.68% |
ほぼ同じか譲渡性預金の方が利率が良い場合もあります。
債券の場合は格付けを下げれば利率はもっと上がりますが、それはリスクを抱えることになります。
ですので安全性の高さと利率の面から言うと良い投資先の一つと言えます。
預金保護の対象=リスクゼロ
譲渡性預金は発行元が銀行の場合とクレジットユニオンと呼ばれる協同組織金融機関のどちらかとなります。
どちらの場合でも譲渡性預金は預金保護の対象となっていて、25万ドル(2,750万円)は保証されることになっています。
具体的には銀行の場合は米連邦預金保険公社(FDIC)が、クレジットユニオンの場合は全米クレジットユニオン管理庁(NCUA)がそれぞれを保証しています。
つまり25万ドル(2,750万円)まではリスクゼロで上記の利率での利子を受け取ることが出来ます。
*ほぼ全ての銀行、クレジットユニオンはFDIC、NCUAに加盟していますが、念のため確認をしておくとより安心です。
どういう人に向いている?
確かに預金としての利率は高いですが、アメリカのインフレ率(約2%)を考えると平均リターンが7%とも8%とも言われる株式の方が良い選択に思えます。
実際長期で投資が出来る人であれば株式投資の方が良いですね。
ですが、実際自分のように海外赴任で任期が決まっていたりして、長期投資をすることが出来ない人、損をするリスクを避けたい人には適していると思います。
僕としても本来であれば株式投資に現金預金を振り分けたいですが、帰国のこともあるし、株式市場的にもタイミングが難しくて投資が出来ません。
でも現金を寝かせておくのはもったいないし、少しでも、そして確実にお金を増やしたいには、この譲渡性預金(CD)がとても良い選択肢のように思えます。
債券の方が利回りが高い場合がありますが、リスクを完全にゼロにしたい場合は譲渡性預金が良いですね。
まとめ
あまり馴染みのない譲渡性預金(CD)ですが、最も安全な投資先の一つに違いありません。
気をつけたいのが色んな銀行が譲渡性預金(CD)を取り扱っていますが、利率が高いのはネットバンクや証券会社経由が多いことがあるので、実際に預ける前にしっかり確認しておきたいですね。
時間の制約とリスクが取れない人には良い選択肢になると思います。