こんにちは、米国赴任中のMMです。
現在は米国オンライン証券最大手のチャールズシュワブ証券で資産運用をしており、日本帰国後も引き続き資産運用を行う予定です。
ただ懸念としては、日本で米国株式の配当金を受け取る場合は10%の源泉徴収税が追加で掛かること、更に米国証券会社で取引をする場合は自力で確定申告をする必要があることです。
投資のメインはインデックスとしているので、市場連動かつ配当金無しの投資先が理想になりますが、現保有のETFはどれも配当金が出てきます。
市場をアウトパフォームかつ無配当といえば、ウォーレン・バフェット氏が率いるバークシャーハサウェイ(BRK.B)が有名ですが、バークシャーハサウェイに投資をすれば理想としている市場連動(市場超え)+無配当を達成できるのでは、と考えました。
そこで今回は、バークシャーハサウェイへの投資はS&P500 ETFになり得るのか、について米国投資サイトの情報を参考にしながら考察していきます。
目次
バークシャーハサウェイの概要
世界一の投資家ウォーレン・バフェットがCEO、長年のパートナーであるチャーリー・マンガーが副会長、マイクロソフトCEOのビル・ゲイツが社外取締役を務めるコングロマリット企業で、実態としては巨大投資ファンドとも言われています。
和波の投資生活ブログさんにバークシャーハサウェイに関する記事がありますが、「良い会社を見つけたら会社ごと買ってしまう」というのが特徴の一つと言えます。
保有企業は金融、鉄道、製造、エネルギー、小売、サービスなど多岐に渡っており、個別企業でありながらETFのような性格を持ち合わせています。
株価チャート
過去20年のBRK.Bの株価チャートとなりますが、9.4倍にまで値上がりしています。
もし1000万円を投資していれば9000万円に、税金を考慮しても8000万円以上に増えていたことになります。
(参照 Yahoo Finance)
保有銘柄上位15社
続いて2017年末時点のBRK.Bの保有銘柄上位15社を見てみます。(参考 NASDAQ)
左から3番目の Value of Shares が保有額になります。
保有金額トップはアップル、次いでウェルズファーゴ、バンクオブアメリカ、クラフトハインツ、コカコーラとなっています。
この15社で保有金額全体の87%を占めますので、これらの企業でほぼ全てと言っても良いですね。
産業別投資割合
BRK.Bの産業別投資割合も見てみます。(参照 NASDAQ)
最も多く投資をしているのが金融の40%、次が生活必需品で21%、ITが18%で、この3つの産業で80%を占めます。
金融の割合が非常に高いのが特徴の一つと言えます。
バークシャーハサウェイ(BRK.B)とS&P500 ETF(SPY)の比較
BRK.BがS&P 500の代わりになり得るかを調べるために、それぞれの株価チャート、投資割合を比較してみます。
S&P 500 ETFはETFで取引高が最も多いSPYを使います。
株価チャート比較
Yahoo FinanceでBRK.BとSPYの過去20年の株価チャートを比較してみます。
※青がBRK.B、緑がSPYとなります。
過去20年間の伸びはBRK.Bが852%、SPYが290%となっています。
2000年頃はSPYが優勢になっているものの、それ以外はBRK.Bは市場平均を大きく上回るリターンを上げています。
下記に過去10年の比較、過去5年の比較も載せていますが、いずれもBRK.BがSPYを上回っていますので、安定して市場平均を上回るリターンが期待出来ると言えそうです。
・過去10年比較
・過去5年比較
保有銘柄上位10社比較
保有銘柄上位10社を比較してみます。
BRK.B | SPY | ||
---|---|---|---|
アップル | 15.98% | アップル | 3.78% |
ウェルズファーゴ | 13.66% | マイクロソフト | 3.03% |
バンクオブアメリカ | 11.71% | アマゾン | 2.72% |
クラフトハインツ | 11.37% | フェイスブック | 1.73% |
コカコーラ | 9.71% | バークシャーハサウェイB | 1.67% |
アメリカンエクスプレス | 7.99% | JPモルガン | 1.66% |
USバンコープ | 2.53% | ジョンソンエンドジョンソン | 1.52% |
フィリップス66 | 2.48% | エクソンモービル | 1.40% |
ムーディーズ | 2.28% | アルファベットC | 1.40% |
BNYメロン | 1.80% | アルファベットA | 1.38% |
共通しているのはアップルのみ、その他は全く違う銘柄が上位に来ています。
バークシャーハサウェイが保有している上場株式銘柄は2017年末時点で48社(参照 CNBC)、一方のSPYは500社(参照 ETF.com)です。
バークシャーハサウェイは基本的にはバリュー投資で集中投資、SPYはS&P500に連動するよう全ての企業を網羅していることから違いが出ています。
ウォーレン・バフェットのスクリーニングに掛かった企業にだけ投資を行っているので、その目が確かである限り、市場平均を超えるのは必然となりますね。
産業別投資割合比較
産業別投資割合も比較してみます。
BRK.B | SPY | ||
---|---|---|---|
金融 | 39.82% | IT | 25.14% |
生活必需品 | 21.02% | 金融 | 15.04% |
IT | 17.96% | ヘルスケア | 13.79% |
産業用機器 | 7.86% | 一般消費財・サービス | 12.68% |
一般消費財・サービス | 5.31% | 産業用機器 | 10.24% |
エネルギー | 4.32% | 生活必需品 | 7.54% |
素材 | 1.94% | エネルギー | 5.51% |
ヘルスケア | 1.73% | 素材 | 2.90% |
通信 | 0.05% | 電力 | 2.66% |
不動産 | 2.59% | ||
通信 | 1.88% |
BRK.Bは銘柄も集中投資ですが、産業に関しても金融、生活必需品、ITの3セクターで8割超えと、こちらも集中投資になっています。
産業別投資割合もBRK.BとSPYでは大きく異なっています。
BRK.Bの唯一にして最大の懸念「バフェット氏の引退後」
ここまで見てみると、BRK.B は SPYの中から厳選された銘柄が抽出され、良いリターンを出しており、かつ配当金が出ないことを考慮すると、S&P500 ETFの代わりになり得て、日本在住の米国証券会社利用者には理想的な投資先になると言えます。
むしろ市場平均を大きく超えるので積極的に保有したいと思えますし、実際にアメリカの投資サイトでも BRK.B に投資すべきとの意見もあります。(参照 amigobulls.com, Seeking Alpha, Investpedia)
ですが、唯一にして最大の懸念は「ウォーレン・バフェット氏引退後の行く末」です。
多くの人がバフェット氏の引退後はBRK.Bは今ほど価値を保てないと考えますが、米国投資情報サイトは冷静な見方をしています。
- バフェット氏は自身の年齢を考慮し既に後継者を内部で決めていること(参照 CNBC)
- BRK.Bの株価は既にバフェット氏の引退を織り込んでいると見られていること(参照 US News)
- スティーブ・ジョブス氏亡き後のアップルの株価が大きく上がっていること(参照 US News)
これらが確かであればBRK.B最大の懸念もなくなりますね。
大手掲示板のRedditでも「BRK.B vs S&P500」というトピックがあり、そこでも概ね BRK.B に投資すべきとの意見があります。
こうなると懸念は売買手数料のみかもしれません。
我が家の判断
非常に魅力的な投資先であるのは事実ですので、もう少し詳細な分析して、割安基準に達した時に投資をする予定です。
アップルの例があったとしてもバークシャーハサウェイがどうなるかは分からないのは引き続きの懸念ですが、市場連動(以上)、配当金無しというのは米国証券会社を引き続き利用する身としては最適な投資先です。
ですので現時点では BRK.B は S&P500 ETF の代わりになり得ると考えます。