こんにちは、兼業投資家のMMです。
投資大国アメリカには多くの投資家達の知恵が残されていて、現代の投資家にも参考にされています。
現在において最も有名で影響力のある投資家といえば、ウォーレン・バフェット氏だと思いますが、アメリカで一番支持されている投資家は誰なのか気になったので調べてみました。
ウィキペディアの投資版である Investpedia、ニュースサイトの US.news、その他サイト(今回は Wall Street Suvivorを参照)やブログを見ても登場する投資家は大体同じです。
そこでそれらの記事を参考に「アメリカで支持されている最も偉大な投資家9人とその投資手法」を紹介します。
投資について多くの研究がされているアメリカで支持されている投資家たちを知ること、彼らがどのような投資法を使っていたのかを知ることは、投資を行う人にとってはプラスになるはずです。
目次
アメリカで支持されている最も偉大な投資家9人
ジョン・テンプルトン (John Templeton)
アメリカ投資界において、最も賢明な投資家の一人であると言われているのが、ウォール街の伝説的なファンドマネージャーであった ジョン・テンプルトン です。
熱心な宗教家でもあり、倫理や道徳を重んじ、投資にもそれらは不可欠であると述べています。
テンプルトンは弱気相場の時に買い、強気相場で売るというルールを守ることで成果を上げていきました。
また早くからグローバル投資を開始しており、高度経済成長期前の60年代に日本への投資を始めていたことでも有名です。
とにかくデータ分析を行い、良い企業でありながら世間から注目されておらず正当に評価されていない企業に投資を成功を収めるスタイルは、現在のバリュー投資に通じるものがあります。
【投資手法】
- 安値で買い高値で売る (=バリュー投資)
- 世間で注目されていない企業に注意を払う
- 勇敢に行動をする
フィリップ・フィッシャー (Phillip Fisher)
ウォーレン・バフェットが師と仰ぐ人は2人いますが、その内の一人が フィリップ・フィッシャーです。
証券アナリストとして世界恐慌を目の当たりにした フィッシャーが辿り着いた答えは グロース投資による長期保有(バイアンドホールド)と集中投資です。
投資する企業の財務状況や事業戦略、業界について詳細を分析し、良いと判断した企業に集中投資をすることで、保有株価が100倍になる等素晴らしい成果を出しています。(例モトローラ)
フィリップ・フィッシャーの15の質問という独自のスクリーニング方法を提唱し、良い投資をすれば誰でも億万長者になれるという言葉を残しています。
【投資手法】
- グロース株投資
- 長期投資
- 徹底した分析
- 集中投資
ウォーレン・バフェット (Warren Buffet)
世界一有名で成功とした投資家として名を馳せているのがウォーレン・バフェットです。
オマハの賢人とも呼ばれるバフェットはその投資での成功と同じくらい節約家として語られることも多く、その姿勢は世界中のビジネスマン、投資家にも大きな影響を与えています。
バフェットの投資哲学は至ってシンプルなもので、
- お金を減らさない
- 1のルールを忘れない
という2つのルールから成り立っています。
投資手法としては、フィリップ・フィッシャーの長期投資と集中投資、ベンジャミン・グレアムのバリュー投資に大きく影響を受けています。
【投資手法】
- お金を減らさない
- 長期投資
- 徹底した分析
- 集中投資
- バリュー投資
ベンジャミン・グレアム (Benjamin Graham)
ウォーレン・バフェットが最も影響受けた2人の内のもう一人がベンジャミン・グレアムです。
「バリュー投資の父」と呼ばれるグレアムの名著「賢明なる投資家」はバフェットを始めとして、アメリカの投資家のバイブルとなっています。
1907年と1929年に株式市場の大暴落を経験したグレアムは、どんな状況においても負けない投資をするべく防衛的投資家になることを掲げています。
株式市場を予想することは困難であるため、過去そして現状のデータから財務上安全であり、かつ市場に正当に評価されていない企業(割安株)に重きを置いています。
また暴落の経験から債券への投資も推奨しています。
長期保有を原則としていますが、保有株が市場で本来の価値以上になった時は売却するというスタンスをとっており、安全性を重視するために割安株の保持を提言しています。
安全余裕率という尺度も重視しており、やはり自身の暴落の経験から「安全性」を特に重視しています。
【投資手法】
- バリュー投資
- 企業価値が過剰評価された時に売却
- 市場は常に乱高下することを理解する(ミスターマーケット)
ピーター・リンチ (Peter Lynch)
現役の投資家としてはウォーレン・バフェットと並んで成功した投資家と称されることが多いのがピーター・リンチです。
「アマチュア投資家でもプロ(機関投資家)」に勝てるとの言葉を残している彼のスタンスはウォーレン・バフェットと似た長期保有+バリュー投資です。
彼もまた市場は誰にも予測出来ないものという考えを持っており、短期では株価がどうなるか分からないが長期においては企業の状況と株価には関連性があるとし、長期保有を前提としています。
また人気企業や人気の業界に割安株は無く、むしろ世間が無視をしている企業にに目を向けるべきとしています。
(人気企業や人気の業界は投資を深く研究していない人も投資をするため、割高になりやすくもあります)
バフェットとの違いは自身が機関投資家であることから、投資の根拠を明確に説明する義務を負っていることです。
【投資手法】
- バリュー投資
- 長期保有
- 世間で注目されていない企業に注意を払う
- 購入理由を明確にする
ジョージ・ソロス (George Soros)
「イングランド銀行を潰した男」との異名を取り、空売りが代名詞伴っているのがジョージ・ソロスです。
かつではヘッジファンドを運営し、短期で利益を上げる投機を得意としていました。
レバレッジを掛けた信用取引を行う裏には徹底した分析があり、1か月で1000億円もの利益を上げたこともあります。
他の投資家とは大分色が違いますが、投資における大胆な行動が支持されています。
【投資手法】
- 信用取引
- 市場分析、中央銀行の政策分析
- マクロな流れに乗る
ジャック・ボーグル (Jack Bogle)
インデックス投資の開拓者とも言われるのが、バンガード創始者のジャック・ボーグルです。
低コストのインデックスファンドを世に出した第一人者です。
分散投資の重要性を説き、また長期投資の重要性も理解していた彼のアウトプットがインデックスファンドです。
ボーグル以前の投資家達も望んでいた投資手法を具現化したということで、世界的にも大きな貢献をしたと評価されています。
【投資手法】
- 分散投資
- 低コスト
- 長期投資
カール・アイカーン (Carl Ichan)
自信が利益を上げるだけではなく、モノ言う株主として企業経営に意見を言う事で有名なのがカール・アイカーンです。
彼の投資手法は他の投資家と同じくバリュー株への投資ですが、経営にも意見を言い、業績を伸ばして株価を上げた所で売却するという、いわばプライベート・エクイティ同様の手法を取っています。
投資家で有りながら経営者とて抜群のセンスを持つのがアイカーンで、市場からもその目は評価されており、彼が投資先に選んだ企業はその後投資家が殺到し株価が引き上がることから「アイカーンリフト」と呼ばれる現象が起きています。
【投資手法】
- バリュー投資
- モノ言う株主
ビル・グロース (Bill Gross)
世界最大手の債券ファンド PIMCO の共同創業者の一人であるビル・グロースは債券投資で最も成功した投資家であると言われています。
債券王の異名を取るビル・グロースは「株式が常に債券より有利であるとは限らない」との言葉を残し、債券投資の重要性を説いています。
グロース本人がファンドを率いていた機関投資家であったこともあり、ピーター・リンチと同様に投資根拠の説明義務を負っていたことから、株のピーターリンチ、債券のビル・グロースと言われることもあります。
グロースは基本的に債券の投資になりますが、そこでは長期投資と最適なアセットアロケーションを重視しています。
債券は基本的には元本保証で利子を貰えるものであり、債券投資を上手く行うことは損失を避けたい防衛的投資家には不可欠であるとの立場を取っています。
【投資手法】
- 債券投資
- 長期投資
- 分散投資
米国投資界のメインストリームはバフェット&グレアム
アメリカの投資事情を調べるとウォーレン・バフェットとベンジャミン・グレアムの情報が多く出てきます。
ウォーレン・バフェットは間違いなく世界一の投資家ですが、そのウォーレン・バフェットが最も影響を受けたと言っていること、名著「賢明なる投資家」が幅広く投資家のバイブルとなっていることから、ベンジャミン・グレアムは教科書的な扱いをされています。
色んなサイトやブログでもグレアムの情報は良く出てきますし、だからこそ自分としてもベンジャミン・グレアムの手法に行き着き、実践しているということもあります。
グレアムは自身の2度の暴落経験から「負けない投資」に重きを置いていますが、リーマンショックの影響を直に受けた米国投資家達が二度と同じ事を繰り返したくないという背景から、グレアムが再評価されたのかもしれません。
米国投資界のメインストリームはウォーレン・バフェットとベンジャミン・グレアムと言えます。
ちなみに米国内の Google で「best investors(最も良い投資家」で検索した時に上位表示される7人は下記の通りです。
- ウォーレン・バフェット
- ピーター・リンチ
- ベンジャミン・グレアム
- ジャック・ボーグル
- カール・アイカーン
- ジョン・テンプルトン
- ジョージ・ソロス
成功の鍵は「長期投資」+「バリュー投資」
上記9人の投資手法を見ると、成功の鍵は「長期投資」と「バリュー投資」であると取れます。
ソロスやアイカーンは少し違いますが、他は全員長期投資を掲げており、株式でも債券でも投資においては短期に利益を上げるものではなく、長期視点でモノゴトを考える必要があることを示しています。
また大半がバリュー投資を掲げていますが、今後成長する企業を見極めるより本来の価値が評価されていない企業に投資をし、市場から正当な評価をされるのを待つほうが確実性があるということを指しています。
またバリュー投資には株価の値上がりを狙うだけではなく、その企業が恐慌でも耐えうる財務状況であるかの安全性を図る側面もあります。
長期投資においては、不況が来た時に耐えられないと投資益を得ることが出来ないので、この安全性が重視されています。
インデックス投資はこの長期投資+バリュー投資(ドルコスト平均法)の両方を満たせるということで、やはりアメリカでも最良の投資法と言われることが多いです。
世間が注目していない企業・業界に注意を払う
個人的に面白いと思ったのが、テンプルトンとピーター・リンチの掲げている「世間が注目していない企業・業界に注意を払う」です。
彼らも基本的にバリュー投資ですが、世間一般で人気の企業はその知名度だけで一般投資家も投資をするし、更に機関投資家も言い訳に使いやすいのでファンドに入れたがる傾向があると言われています。
*万が一損が出た時に、誰もが知る企業であればニュースでも露出度が高く、納得されやすいとのこと
個人的にはやっぱり有名企業や人気企業の株は持ってみたいと思いますが、確実に利益を上げるならそのようなフィルターを外さないといけないということですね。。
有名企業だと事業内容がわかりやすいので研究もしやすいですが、それは他の人も同じだから自分で調べなきゃいけないということですかね。。
個人投資家として意識すること
自分の投資スタイルとしては、リスクを可能な限り排除する防衛的投資家です。
バフェットのルールである「お金を失わない」という大原則にはとても共感できます。
上記9人の投資手法や実績はとても勉強になりますが、大きな儲けは狙わず、リスクをなるべく避けるグレアムの手法で基本的にはやっていこうと思います。
暴落を2度経験して行き着いた投資手法、スタイルというのはとても説得力があると感じます。
まとめ
投資大国アメリカで支持されている偉大な投資家を知ることは勉強にもなりますし、自分の知識としても面白いですね。
彼らの手法がいつの時代も、どこの市場でも通用する保証はありませんが、不確実性を伴う投資だからこそ、先人たちの知恵を借りたい所です。
長期でコツコツやっていく忍耐力が、投資では一番求められるかもしれません。