こんにちは、アメリカに海外赴任中の兼業投資家 MM です。
アメリカ生活も5年目ともなると生活で困ることはほぼ無くなりますし、殆どの場面において慣れも出てきます。
長く住んでいるとメリット・デメリットを感じる場面が増えてきますが、投資家としてはアメリカ赴任はメリットに感じます。
そう思う理由を述べていきます。
目次
投資家にとってのアメリカ赴任の5つのメリット
世界一の株式市場に投資が出来る
最大のメリットは世界一の株式市場である米国市場に投資できることです。
赴任前は日本市場のみへの投資でしたが、アメリカへの投資を始めてその市場規模の大きさ、企業の多様性、株主への還元の重要性を実感しています。
アメリカの証券会社に口座を開きますので、投資対象はニューヨーク証券取引所に上場している全ての企業になり、米国企業のみならず全世界の企業が対象になります。
日本を含む米国外からでも米国市場への投資は可能ですが、投資対象に制限が無いというのはメリットの一つになります。
日本帰国後も米国市場への投資は続ける予定です。
多くの偉大なる投資家の知恵に触れられる
投資大国アメリカには多くの偉大な投資家がいて、その投資家たちの知恵が蓄えられています。
投資を始めた当初はウォーレン・バフェット位しか知りませんでしたが、アメリカで投資情報を集めていると他の投資家たちの名前、投資手法が入ってきます。
もちろんこれらの情報の多くはインターネット上にあるため、日本にいても入手することは可能です。ですがやはり実際にアメリカに来て、アメリカ市場に投資するという環境が揃うとモチベーションが上がるため、得られる情報量が増えます。
知識を得たからといって必ずしもリターンに結びつくわけではありませんが、知識は間違いなくリスクを減らしてくれます。
無料の分析ツールが使える
投資を行う際、特に個別株投資の際には企業分析が必要になります。
企業の財務情報は各社のHPのIR情報を取りに行けば良いのですが、毎回読むのは中々大変です。
そんな時に企業情報がまとめられているツールが重宝されますが、米国には無料の分析ツールが多くあります。
普段使っている分析ツール(サイト)の一例を紹介します。
サイト名 | 用途 |
---|---|
FINVIZ | 株価指標分析 |
WSJ | 財務分析 |
S&Pグローバル | 企業格付け |
Trending Economics | 各国経済状況分析 |
Statista | 各業界市場トレンド分析 |
FINVIZとWSJ(ウォールストリートジャーナル)は各企業の売上金額や利益、株価収益率(P/E)や株価純資産倍率(PB)等の株価指標や財務分析をすることが出来ます。
S&Pグローバルでは企業の債務格付けが確認でき、財務的な信頼性チェックに役立ちます。
Trending Economicsでは各国の政策金利や失業率、インフレ、GDPなど経済のファンダメンタル情報を知ることが出来ます。
個人的に一番凄いなと感じるのが Statistaで、各業界の市場規模や成長性等を見ることが出来ます。
一部有料で使えないものもありますが、こういう情報が個人レベルでも入手できるのは米国にいる利点ですね。
投資信託の手数料が安い
アメリカ赴任前からメインの投資法をインデックス投資としています。
下記が赴任前に保有していたインデックスファンドになりますが、投資信託の平均コスト(信託報酬)1.12%に比べてかなり低くなっています。
ニッセイ-ニッセイ日経225インデックスファンド | 0.27% |
TOPIX連動型上場投資信託 (1306) | 0.11% |
100万円投資をしていれば、日経225インデックスは年間2,700円、TOPIX連動は年間1,100円のコストとなります。
ですが、競合ひしめくアメリカでは更に手数料が抑えられています。
SWPPX (S&P500インデックス) | 0.03% |
SWISX (世界先進国インデックス(米除く) MSCI EAFE) | 0.06% |
*米国投資におけるメイン投資銘柄になります。
TOPIX連動と比べても半額以下の手数料となっています。
金額が小さいとあまり影響がありませんが、金額が大きくなり、また長期投資ともなれば差が出てきますのでコストが低いというのは大きな利点ですね。
税制優遇口座の重要さに気づける
アメリカには税制優遇口座が多くあり、投資サイト、個人投資ブログでも税制優遇口座の使用についての話題が頻出となっています。
パーソナルファイナンスサイトの Money Rate.com によるとアメリカにおける主要な税制優遇口座は10個になります。
Traditional 401(k) retirement plan |
Roth 401(k) |
Traditional IRA |
Roth IRA |
Saver’s Credit |
In-State 529 plans |
Out-of-State 529 plans |
Coverdell Education Savings Account |
Health Savings Account |
Flexible Spending Accounts |
全てが投資用という訳ではありませんが、多くの人は投資における運用益の最大化をすべく、優遇税制口座を利用します。
アメリカの場合はサラリーマンでも全員確定申告をしなければいけないことから、税金に対する意識が日本と比べて強いです。
もちろん日本でも税制優遇措置はありますし、知識がある人は利用していますが、アメリカでの投資に触れるとその重要さにより気づきやすくなります。
日本に帰国後はぜひ利用していきたいです。
最大のハードルは日本語の情報が無いこと
投資家としてのアメリカ赴任のメリットは上記の通りかなりあります。
ですが最大のハードルは赴任者向けの日本語の情報が圧倒的に無いことです。
ゼロから投資関連の用語を学び、証券会社に口座を開き、運用を始めるというのは中々大変なことです。
自分も実際に投資をしようと思ってから口座開設までは3ヶ月以上掛かりましたし、投資信託の英訳である Mutual Fund という単語にたどり着くのにも1ヶ月近く掛かりました。
日本で投資に深く入り込んでいた人の中には情報を多く持ち、すんなり投資を始められる人もいると思いますが、多くの人にとっては厳しい状況です。
用語も分からないですし、手数料とかもどこの数字かパッとわからない、証券会社もどこが良いのか分からない等とにかく情報が不足します。
個人的な目標
実際の所、海外赴任者で現地で投資を行おうとする人は殆どいないと思いますが、今後日本でも投資に対する知識が増えていけば行う人も増えてきます。
個人的にはアメリカで投資を行うことは資産運用と同時に投資の知識を深める良い機会だと思いますので、もっと気軽に出来るようになって欲しいですね。
できればこのブログで少しでもノウハウが共有して、投資を行いたい人が問題なく出来るような仕組みを作れたらなと考えています。
賢明なる投資家 - 割安株の見つけ方とバリュー投資を成功させる方法