こんにちは、MMです。
サラリーマンとして日々労働をして給料を貰う一方、日々の生活では節約をし、貯めたお金を投資に回して少しでも資産を積み重ねようと努力をしています。
その目的の一つは経済的自由を得るためでもあります。
いつかはお金による呪縛から解放されて自由に暮らしてみたい(というよりサラリーマン生活からの脱却?)と思うのですが、すぐには実現しなそうです。
経済的自由とか早期リタイアの考えは日本ではまだ少数派かと思いますが、アメリカではそのような目標を達成しようとしている人が日本より明らかに多く、度々ニュースサイトの記事になったりしています。
そのような経済的自由、早期リタイアが市民権を得ているアメリカでは、達成するための考えや知恵が多くあります。
今回はその知恵の中から、米国リタイア界の常識である「4%ルール (4% rule)」という考え方を紹介しようと思います。
これらはあくまで目安であったり、参考程度 (rule of thumb) に紹介されているので、詳細な手法というものはないのですが、それでも知ることはプラスになると思います。
* rule of thumb = 親指で測れる、簡単な目安
参考記事はバーソナルファイナンスを扱う the balance からです。
4%ルール (4% rule)とは
4%ルールとは簡単に言うと、リタイア時に持っている金額の4%分を毎年使うという資金使用計画になります。
例えばリタイア時に 3,000万円 持っていたとすると、毎年使えるお金は 3,000万円×4% = 120 万円 になります。
ざっくりしたイメージは↓のようになります。
年数 | 資金(年初) | 引出額 | 資金(年末) |
---|---|---|---|
1 | 30,000,000 | 1,200,000 | 28,800,000 |
2 | 28,800,000 | 1,200,000 | 27,600,000 |
3 | 27,600,000 | 1,200,000 | 26,400,000 |
4 | 26,400,000 | 1,200,000 | 25,200,000 |
5 | 25,200,000 | 1,200,000 | 24,000,000 |
6 | 24,000,000 | 1,200,000 | 22,800,000 |
7 | 22,800,000 | 1,200,000 | 21,600,000 |
8 | 21,600,000 | 1,200,000 | 20,400,000 |
9 | 20,400,000 | 1,200,000 | 19,200,000 |
10 | 19,200,000 | 1,200,000 | 18,000,000 |
11 | 18,000,000 | 1,200,000 | 16,800,000 |
12 | 16,800,000 | 1,200,000 | 15,600,000 |
13 | 15,600,000 | 1,200,000 | 14,400,000 |
14 | 14,400,000 | 1,200,000 | 13,200,000 |
15 | 13,200,000 | 1,200,000 | 12,000,000 |
16 | 12,000,000 | 1,200,000 | 10,800,000 |
17 | 10,800,000 | 1,200,000 | 9,600,000 |
18 | 9,600,000 | 1,200,000 | 8,400,000 |
19 | 8,400,000 | 1,200,000 | 7,200,000 |
20 | 7,200,000 | 1,200,000 | 6,000,000 |
21 | 6,000,000 | 1,200,000 | 4,800,000 |
22 | 4,800,000 | 1,200,000 | 3,600,000 |
23 | 3,600,000 | 1,200,000 | 2,400,000 |
24 | 2,400,000 | 1,200,000 | 1,200,000 |
25 | 1,200,000 | 1,200,000 | 0 |
4%ルールに基づけば少なくとも25年は大丈夫と言われ、年金等は考慮されていません。
ですのでもし年金やその他収入があればここにその分がプラスとなります。
4%ルールはあくまで資金使用計画ですので、貯めた金額の4%が毎年の使用額になります。
ですので貯めた金額が少ないと毎年使える金額が少なくなりますし、多く貯めれば使える金額も多くなります。
インフレ/資産運用益を考慮した4%ルール
上記の表は概念的なもので、実際はインフレ(物価上昇)を考慮に入れなければいけませんし、そもそも4%ルールは資産運用を行ってある程度リターンを得る前提でいます。
アメリカの考えですので、4%ルールのインフレ率はアメリカの平均である3.2%、投資益はリタイア後はリスクをあまり取れないため、米国30年債の2007年から2017年の平均リターンである 3.6% を使います。
下の表の引出額は毎年3.2%のインフレを反映させ、年末時点の資金に投資益の3.6%を反映させています。
(年初に4%分引き出し、残りの金額に投資益3.6%が乗る前提 )
年数 | 資金(年初) | 引出額 | 資金(年末) | 投資益反映 |
---|---|---|---|---|
1 | 40,000,000 | 1,600,000 | 38,400,000 | 39,782,400 |
2 | 39,782,400 | 1,651,200 | 38,131,200 | 39,503,923 |
3 | 39,503,923 | 1,704,038 | 37,799,885 | 39,160,681 |
4 | 39,160,681 | 1,758,568 | 37,402,113 | 38,748,589 |
5 | 38,748,589 | 1,814,842 | 36,933,747 | 38,263,362 |
6 | 38,263,362 | 1,872,917 | 36,390,445 | 37,700,502 |
7 | 37,700,502 | 1,932,850 | 35,767,651 | 37,055,287 |
8 | 37,055,287 | 1,994,701 | 35,060,586 | 36,322,767 |
9 | 36,322,767 | 2,058,532 | 34,264,235 | 35,497,747 |
10 | 35,497,747 | 2,124,405 | 33,373,343 | 34,574,783 |
11 | 34,574,783 | 2,192,386 | 32,382,397 | 33,548,164 |
12 | 33,548,164 | 2,262,542 | 31,285,622 | 32,411,904 |
13 | 32,411,904 | 2,334,943 | 30,076,961 | 31,159,731 |
14 | 31,159,731 | 2,409,662 | 28,750,070 | 29,785,072 |
15 | 29,785,072 | 2,486,771 | 27,298,302 | 28,281,040 |
16 | 28,281,040 | 2,566,347 | 25,714,693 | 26,640,422 |
17 | 26,640,422 | 2,648,470 | 23,991,951 | 24,855,662 |
18 | 24,855,662 | 2,733,222 | 22,122,440 | 22,918,848 |
19 | 22,918,848 | 2,820,685 | 20,098,163 | 20,821,697 |
20 | 20,821,697 | 2,910,947 | 17,910,751 | 18,555,538 |
21 | 18,555,538 | 3,004,097 | 15,551,441 | 16,111,293 |
22 | 16,111,293 | 3,100,228 | 13,011,065 | 13,479,463 |
23 | 13,479,463 | 3,199,435 | 10,280,028 | 10,650,109 |
24 | 10,650,109 | 3,301,817 | 7,348,292 | 7,612,830 |
25 | 7,612,830 | 3,407,475 | 4,205,355 | 4,356,748 |
26 | 4,356,748 | 3,516,515 | 840,233 | 870,482 |
27 | 870,482 | 3,629,043 | -2,758,561 | -2,857,870 |
4%ルール通りにお金を使っていけば26年は持つことになります。
早期リタイアのためには引出率を下げる
上記の例の通り4%ルールを実践すると26年分の資金が確保されることになります。
60歳で仕事を辞めると考えると、86歳まで暮らせることになるので妥当だと言えそうですね。
ですが60歳前に辞める、いわゆる早期リタイアとなると計画を変えなければいけません。
早期リタイアのためにできることは二つ、投資のリターン率を上げるか、4%の引出率を下げるか、です。
そうは言っても投資リターンを上げることは中々難しいので、現実的なのは引出率を下げる法ですね。
例えば引出率を4%から3%に下げると、リタイア資金は25年から36年に伸びます。
年数 | 資金(年初) | 引出額 | 資金(年末) | 投資益反映 |
---|---|---|---|---|
1 | 40,000,000 | 1,200,000 | 38,800,000 | 40,196,800 |
2 | 40,196,800 | 1,238,400 | 38,958,400 | 40,360,902 |
3 | 40,360,902 | 1,278,029 | 39,082,874 | 40,489,857 |
4 | 40,489,857 | 1,318,926 | 39,170,931 | 40,581,085 |
5 | 40,581,085 | 1,361,131 | 39,219,954 | 40,631,872 |
6 | 40,631,872 | 1,404,688 | 39,227,184 | 40,639,363 |
7 | 40,639,363 | 1,449,638 | 39,189,725 | 40,600,555 |
8 | 40,600,555 | 1,496,026 | 39,104,530 | 40,512,293 |
9 | 40,512,293 | 1,543,899 | 38,968,394 | 40,371,256 |
10 | 40,371,256 | 1,593,304 | 38,777,952 | 40,173,959 |
11 | 40,173,959 | 1,644,289 | 38,529,669 | 39,916,738 |
12 | 39,916,738 | 1,696,907 | 38,219,831 | 39,595,745 |
13 | 39,595,745 | 1,751,208 | 37,844,537 | 39,206,941 |
14 | 39,206,941 | 1,807,246 | 37,399,695 | 38,746,084 |
15 | 38,746,084 | 1,865,078 | 36,881,006 | 38,208,722 |
16 | 38,208,722 | 1,924,761 | 36,283,961 | 37,590,184 |
17 | 37,590,184 | 1,986,353 | 35,603,831 | 36,885,569 |
18 | 36,885,569 | 2,049,916 | 34,835,653 | 36,089,736 |
19 | 36,089,736 | 2,115,513 | 33,974,223 | 35,197,295 |
20 | 35,197,295 | 2,183,210 | 33,014,085 | 34,202,592 |
21 | 34,202,592 | 2,253,073 | 31,949,519 | 33,099,702 |
22 | 33,099,702 | 2,325,171 | 30,774,531 | 31,882,414 |
23 | 31,882,414 | 2,399,576 | 29,482,838 | 30,544,220 |
24 | 30,544,220 | 2,476,363 | 28,067,857 | 29,078,300 |
25 | 29,078,300 | 2,555,606 | 26,522,693 | 27,477,510 |
26 | 27,477,510 | 2,637,386 | 24,840,125 | 25,734,369 |
27 | 25,734,369 | 2,721,782 | 23,012,587 | 23,841,040 |
28 | 23,841,040 | 2,808,879 | 21,032,161 | 21,789,318 |
29 | 21,789,318 | 2,898,763 | 18,890,555 | 19,570,615 |
30 | 19,570,615 | 2,991,524 | 16,579,091 | 17,175,938 |
31 | 17,175,938 | 3,087,253 | 14,088,686 | 14,595,879 |
32 | 14,595,879 | 3,186,045 | 11,409,834 | 11,820,588 |
33 | 11,409,834 | 3,287,998 | 8,121,836 | 8,414,222 |
34 | 8,121,836 | 3,393,214 | 4,728,622 | 4,898,852 |
35 | 4,728,622 | 3,501,797 | 1,226,825 | 1,270,990 |
36 | 1,226,825 | 3,613,854 | -2,387,030 | -2,472,963 |
36年持てば86歳まで生きるとした場合、50歳で早期リタイアすることが出来ますね。
リタイア時の資金を増やして確実に
ですが、上記の3%引き出しの問題は一年間に引き出せる金額が少なくなってしまうことです。
3,000万の頭金の場合、年間90万円の引き出しとなりますが、中々厳しいものがありますね。
3%の引き出しを前提とすると4,000万円の頭金なら年間120万円、5,000万円の頭金であれば年間150万円を引き出すことが出来ます。
この4%ルールに則って早期リタイアをする場合は、リタイア時の資金をできるだけ増やすことで確実なものにできます。
まとめ
アメリカ早期リタイア界の常識となっている「4%ルール」は、今ある資金をもとにどう使っていくかの指針を示してくれるものです。
近年は4%の引き出しでは見通しが甘いという意見や、投資リターンが8,77%がずっと続くとは限らないという意見もあります。
ですが、考え方としてはリタイア後に十分使えるものだと思います。
あくまで目安の一つですが、この4%ルールを使って早期リタイア計画、もしくはリタイア後の計画を立ててみるのも良いかもしれません。
コメント
4%ルール、60/40ポートフォリオの記事共に
たいへん勉強になり面白かったです。
ブログで参照記事に書かせていただいてよろしいですか。
4%ルールは思ったより元本の毀損がはやいのが驚きました。
インフレ考慮後の元本を減らさないで投資金を延々に維持するのに必要な資産額は思ったより巨大になりそうです。
60/40のほうですが、近年低金利、株式期待リターンもPER20程度で低くなることが予想されています。(PER20なら将来リターンは5と考えるのが順当かと思います)
そんな中で、年々様々な機関投資家の株式投資比率が高まっているので、どのようなポートフォリオを効率よいと考えているのか、年金ファンドの運用者の人々の意見を聞いてみたいですよね。
MMさんのブログの投資記事はいつも勉強になって大変好きなので、よろしければ相互リンクさせていただけないでしょうか?
ぶしつけなお願いで申し訳ないですが…
靴磨きおじさんさん
はい、記事参照問題ありません。
どうぞ宜しくお願いします。
4%ルールも60/40も、今は通用しないという意見もちらほらありますが、個人的には指針としてはとても良いと思います。
ただ確かにもう少し安全目に見たいという気持ちもわかりますね。
相互リンク承知しました。
そう言って頂けて光栄です!
これからも少しでもお役に立てる記事を書ければと思います。
このブログにはまだ相互リンクのカテゴリを作っていないのででき次第リンクさせて頂きます。
今後とも宜しくお願い致します!
MMさん
それではこちらは勝手にリンクはらせていただきます!!
もしそのうちリンクカテゴリつくりましたらその時はぜひ(強引にプライベートに侵略するパワハラ上司気質ですな!!)
また記事楽しみにしております。
投資益が引出率を二倍以上上回るのに、資産が減少していくことに違和感を感じました。
投資益が8.77%ではなく、0.877%で計算されているようです。
qqさん
ご指摘ありがとうございます。
確かに0.877%で計算をしてしまっておりましたので記事を修正致しました。
アメリカでもこの4%ルールのロールモデル的なものがはっきりとは無いのですが、年初にリタイア資金から4%の引き出しを行い、その残った資金に対して投資益8.77%を乗せていることが多いようです。
そのため資金は年々減少していくことになります。
3年目から投資益が反映されていないようです。
前提の利率では資金は減らないと思います。
通りすがりさん
ご指摘どうもありがとうございます。
確かに式がおかしかったのと、アメリカの記事ではリタイア後はリスクをあまり取れないとのことでしたので、投資の前提をアメリカ国債30年ものにして記事を修正しました。
今後ともよろしくお願いします
[…] Savvyに生きるのMMさんが米国早期リタイア界の常識「4%ルール」という分かりやすい記事を投稿されていらっしゃる。 […]