【米国株現地レポート】ペイパル (PYPL)

こんにちは、米国株バリュー投資家のMMです。

米国株への投資を行い、且つせっかくアメリカに住んでいるということで、色々な企業の分析をしつつ現地レポートを書いていきます。

このレポートはアメリカ生活で普段馴染みのある企業を改めて調べる良い機会でもあるため、個人的にもとても勉強になります。

今回はIT大国アメリカには欠かせない決済サービスを持つ PayPal (ペイパル) / PYPL についてです。

企業自体も凄いのですが、PayPal出身者は「ペイパル・マフィア」と呼ばれ、シリコンバレーで最も影響力を持つ集団となっています。

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基本情報

PayPal の基本情報をまとめます。

PayPal (ペイパル)ってどんな会社?

インターネットを介した電子決済サービスを提供するIT企業で世界最大規模を誇ります。

従来の決済手段であった小切手やマネーオーダーの代替手段として認知されており、オンライン決済のリーディングカンパニーとなっています。

ハイテク企業が多いNASDAQ市場に上場し、S&P500にも採用され、株式市場における産業分類は 金融サービス になります。

創業は1998年アメリカのカリフォルニア州サンノゼで、ペイパルマフィアのドンと言われるピーター・ティールが設立したコンフィニティが前身となり、その後イーロン・マスクのX.comと合併し、今の PayPal の基礎が出来上がりました。

2002年にeBayに買収されましたが、2015年に再び独立をしています。

PayPalの収益源は下記の2つとなります。

  • 販売側(お金を受取る側)の手数料 1.9-2.9%+30セント
  • PayPal口座に維持されているお金からの利子

販売側の手数料というのはクレジットカードと同じ仕組みですね。

利子というのは、PayPal口座でやりとりしたお金はそこから自分の銀行口座にう移す必要がありますが、それまではPayPalの銀行口座に保管されることになります。

下記で出ますが、2億個のアクティブ口座に$10が保管され続けたとすると、1%の利子でも年間 $200万(2億円)が利子として入ります。

利用状況

IT化が進むとともに電子決済の需要は上昇傾向にあります。

クレジットカード情報を Paypal に登録し、PayPalが金銭授受を代行するため、支払先にクレジットカード情報を伝える必要が無く安全であることから利用者が増えています。

現在200カ国以上、25通貨に対応していて、2017年時点の全世界利用状況は下記の通りです。

アクティブ口座 2億
取引金額(商品購入) 66億ドル(6,700億円)
総取扱金額(商品購入+送金) 3,540億ドル(3.9兆円)

イーコマース市場は2020年までに400兆円に上るとも言われており(参照 emarketer.com)、イーコマース市場の成長に伴ってオンライン市場も大きくなる見込みです。

Statistaによるとオンライン決済市場は2017-2021年の間に平均12.8%伸び続けると言われており、勢いのある成長市場と言えます。

CEO

現在の PayPal の CEOは ダニエル・シュルマン(Daniel Schulman) で、AT&Tでキャリアをスタートさせた後18年間勤め、最年少役員となっています。

AT&Tを退職後、オンライン旅行サービスのプライスラインのCOO兼CEOとなり、2年間で売上を2,000万ドル(22億円)から10億ドル(1,100億円)に伸ばします。

その後は現在通信大手のスプリントの傘下であるバージンモバイルのCEO、スプリントの役員を務め、更にその後は金融サービス大手のアメリカンエクスプレスグループ会社の社長を務めました。

通信業界、インターネット、金融サービスの経験を持ち、2014年からPayPalのCEOとなっています。

競合状況

データ分析を行っているDatanyzeから米国オンライン決済市場におけるPayPalの立ち位置と競合を参照してみます。

順位 サービス シェア
1 Paypal 76%
2 Stripe 8%
3 Authorize.net 2%
4 Square 2%
5 Klarna 1%
6 Amazon Payment 1%
7 CCBill 1%
8 Google Checkout 1%
9 Braintree 1%
10 Worldpay 1%
Others 5%

PayPalのシェアが圧倒的となっていて、ITビッグ4のAmazonやGoogleも入ってきていますが、PayPalの牙城は揺ぎ無いものとなっています。

PayPal Mafia (ペイパルマフィア)

米国ITの聖地シリコンバレーで最も影響力を持つグループと言われているのが、「PayPal Mafia (ペイパルマフィア)」と呼ばれるPayPal出身者で構成される起業家集団です。

PayPal退職後もその結び付きは強く、起業した会社で一緒に働いたり、そのツテを生かして事業を軌道に乗せたりしています。

下記はペイパルマフィアの主要メンバーの一覧になります。

名前 実績
ピーター・ティール PayPal創業者、ペイパルマフィアの首領
マックス・レヴチン PayPal創業者、ペイパルマフィアの顧問
イーロン・マスク テスラモータース、スペースX創業者
ケン・ハワリー The Founders Fund創業者
ルーク・ノゼック The Founders Fund創業者
デイビッド・サックス Geni.com、Yammer創業者
スティーブ・チェン Youtube創業者
チャド・ハーレイ Youtube創業者
ジョード・カリム Youtube創業者
リード・ホフマン LinkedIn 創業者
ラッセル・シモンズ Yelp創業者
エリック・ジャクソン WND Books、Caplinked創業者
イーサン・ウォン 前Reddit CEO

*太字がPayPal創業メンバーになります。

早々たるメンバーで、今や米国に欠かせないITサービスがいくつもあります。

ペイパルマフィアの発端は2002年のeBay買収時による人材の流出と言われていますが、その後の結び付きは非常に強いままです。

首領であるピーター・ティールは PayPal従業員の起業時にはほぼ出資をしており、投資家としてサポートを行っています。

全世界を見ても、ここまで強い結び付きのある起業家集団というのは例を見ません。

PayPalで働いてから起業をしようと思う優秀な人材も集まります。

財務状況 (2017年7月12日時点)

ここからは PayPal の財務状況を纏めています。

売上推移

2012年から2016年の売上データになります。

2012 2013 2014 2015 2016
売上(10億ドル) 5.6 6.7 8.1 9.1 10.7
売上(億円) 6.2 7.4 8.9 10.0 11.8
前年比 120% 120% 112% 118%

きれいな右肩上がりとなっていますね。

成長を続けるe-コマース市場と共にオンライン決済の需要も伸びています。

今後も需要は更に拡大していきますので、売上の伸びが期待できます。

EPS推移

同じく2012年から2016年のEPS推移になります。

*EPS(一株あたりの利益) =  当期純利益 ÷ 発行済み株式数

2012 2013 2014 2015 2016
EPS 0.64 0.78 0.34 1.00 1.15
前年比 122% 44% 294% 115%

2014年に繰延税金負債(deferred tax liabilities)で一度大きくEPSを落としていますが、他は順調に伸ばしています。

利益自体も同様に2014年以外は順調に伸ばしています。

バリュー株の基準に合うか

いつも株を買うときはベンジャミン・グレアムの7つの基準に合わせて、条件が合えばバリュー株であると判断し購入するようにしています。

項目 基準 GOOGL
S&P格付け B以上 BBB
負債比率 1.1倍未満 0.00
流動比率 1.5倍以上 1.5
EPS成長 5年連続 4年
P/E 9倍未満 48.42
P/B 1.2倍未満 4.65
配当金の有無

7つの基準の内満たしているのは3項目となりますので、グレアムの基準に則るとバリュー株では無いという判断となります。

来期の純利益を基にする予想株価収益率(FW P/E)は26.65、成長率を加味した PEG レシオは2.8ですので、こちらを見ても割安ではありません。

ですが2015年の上場以来株価は右肩上がり、典型的なグロース株と言えますね。

アメリカ在住者から見た PayPal

最初 PayPal を知ったときはクレジットカードで事足りていたので必要性をあまり感じられませんでした。

ですが、オンラインショッピング大国アメリカではネットでの決済が非常に多いです。

  • Amazon
  • eBay
  • J.Crew
  • Papa Johns
  • i Herb
  • TPO (スマホ)
  • Optimum
  • 電気料金等

これら以外にも一回しか使ったことの無いサイトもたくさんありますが、毎回クレジットカード情報を入力していたのでは疲れてしまいます、

ですが、PayPalを使えばクレジットカード情報の登録はPayPalのみ、あとはサイトとPayPalをリンクしてしまえばメールアドレスのみで決済が出来てしまいます。

一度この便利さに慣れてしまうともう手放すことが出来ません。

それとクレジット情報を公開しなくて良いのもメリットがあります。

自分のような外国人はアメリカのサイトのどれが安全でどのサイトが危険かを一発で判断できません。(アメリカ人も同じかもしれません)

一度タブレットを買おうとオンラインショッピングをしたのですが、決済後そのサイトのレビューを読んでいると Fraud(詐欺)という評価があったので、思わずキャンセルをしました。

PayPal経由であればクレジットカード情報が公開されていないので、カードの解約もする必要がありませんでした。

eコマースの発展とPayPalは取って離せない、もはやインフラに近い存在と言えます。

*もちろんネット上なのでハッキング等には注意をしなければいけません。

まとめ

成長企業ですので割安感はありませんが、事業内容とその市場、としてPayPal出身者の活躍を見るととても魅力に感じます。

現金主義の日本ではまだまだ普及しきれていませんが、今後普及すると毎日の生活が楽になるかもと思います。(まずはクレジットカード対応ですね)

アメリカIT業界への貢献度は、出身者を含めるとPayPalが一番かもしれませんね。

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